あれって眠い訳じゃなかったの?意外と多いゾ、入浴事故!

d3eb49b34e537fcf544434177f131a93_s世界中には様々な文化があり、あちらしてみれば当たり前のことでも、我々日本人の目線から見てみるととても変わった風習に見える物がたくさんあります。 しかし、その逆もしかり。我々にとっては普通の事でも、海外の人たちから見るとびっくりな文化もあります。そして、その1つに意外な事で「入浴」という物があげられます。

「浴槽に浸かる」と言う方法を取る日本人に対して、海外ですと大体がシャワーだけと言ったところが多いみたいですね。 ヨーロッパなどにもバスタブは存在しますが、お湯をはってゆっくり浸かる…といった感じではなく、バスタブ半分にお湯を入れて半身浴をしながら上半身を洗うみたいで、日本のように温まるのを目的とした訳ではなく体を洗う事を目的としています。

さて、そんな風呂好きの日本人にとって悲しいお知らせです。 世界を見ると様々な場所で事故が起き、それによって毎日死者が出ています。もちろんそれは日本も例外ではなく、不慮の事故での死者は後を絶ちません。 そして、その事故の種類の中でも特に日本人に多いのが、入浴時の事故死です。 世界を見るとレジャー時の川や海での事故は多いのですが入浴時の事故は滅多にありません。やはり、入浴と言う文化を持った日本人ならではと言えるのでしょう。

では、どんな場合に入浴中の事故が多いのでしょうか? 入浴中にウトウトと眠くなる事が誰しも一度は経験をしたことがあるかと思います。疲れがたまっていたからや、睡眠不足だったからなど様々な理由があるかと思いますが、この場合のウトウトは通常の睡眠と質が違う事があります。

普通の睡眠は筋肉がリラックス状態になり、心拍数が減少し、脳が睡眠を促す物質を分泌させることにより人体に効率的な休息を与える事を言うのですが、風呂に入ってからくる眠気は入浴時に急激な血圧上昇が起こり、しばらくすると体温上昇を防ぐために血管が拡張して自動的に血圧を下げるのですが…この時に急激に血圧が下がる為に脳への血流が減少してそのまま眠気が襲ってきます。 しかしながら、先の通り脳内物質による睡眠作用でなく、「脳への血流が減少し、機能が停止する事によっておこる現象」ですので、睡眠と言う表現よりは「失神」と言う方があっているでしょう。全体なメカニズムとしては立ちくらみに良く似ています。 通常であれば仮に意識を失っても浴槽に顔がつけば条件反射で目が覚めるのですが、これが寝不足飲酒をした後の状態などではそれでも目が覚めないまま溺れてしまう事が多いそうです。

実際に入浴時の事故から起こる年間での死者の数は、年間での交通事故での死亡者数よりも多いらしいです。また溺れてしまってからは既に手遅れになる事が多く、未然に防止する事が重要となります。 先の通り、入浴をすることにより血圧が上昇し、体温上昇を防ぐために血管が拡張し血圧を下げるのですが、「体温上昇を防ぐ」と言う事は、入浴する風呂の温度によって体温上昇の速さは変わって来るので風呂の温度がこの件には非常にかかわってきます。 実際に38~40度のお湯に入る場合は10~15分を目安に。40度以上のお湯に入る場合は3~10分を目安に入浴すると良いでしょう また、食後などでは消化器官の方を働かせるために体の血液が胃や腸に集中する為、ただでさえ脳の方に血液が行きづらくなっています。 其の為に、食後すぐに入浴をすると先ほどのように失神を起こす可能性が高いために注意が必要です。できれば食前に入浴する事をお勧めいたします。 また、どうしても眠くなるようでしたらお風呂ではなくシャワーを使うのも一つの手だと言えます。