今の若い世代は知ってるかな?春に生える実は食べられるアレ

ed8515db61151aa6e0a2c453a8cf15d7_s春のこの季節。先に桜の花の話をしちゃいましたが、それと同時期ににょきにょきと生えてくる謎の植物があります。

ぱっと見るとキノコのようにも見えて、されどキノコじゃない茶色い細長い植物…そう、つくしですね。

春先になると一斉に地面から出てきて、そこらじゅうに生えわたります。ちなみに、アレが限界まで大きく育つと緑のボサボサとした葉っぱ?のような物を持つスギナになります。

 

さてさて、春の季語にも使われるツクシ。今でこそ、あまり食べる機会が無くなってはいますが…日本では江戸時代には既に季節の食べ物として親しまれており、有名な人物ですと日本の近代文学に多大な影響を与えた俳人正岡子規」が好んで食し、俳句の題材にも使われているんだとか。

 

さて、そんなツクシですが実際に食べてみると味はもやしに近いような感じであり、しかしながら頭の部分は苦味が強く、この苦味を春の味として楽しめるのか否かで食べ方はだいぶ変わって来るようです。筆者は苦いの苦手です。

調理の際はツクシの茎の部分についている葉…とも違いますが、ぴらぴらの部分(鞘/はかま)を取ってから洗って煮て灰汁や胞子を落とすのですが、このぴらぴら(鞘/はかま)の部分を取る作業が結構しんどく、また爪が汚れる事必須となるので注意しましょう。

ちなみに、スーパーや店頭などでは極希に、通販では季節商品として、この部分がちゃんと取れた状態のつくしを販売していることがありますので、めんどい方はそちらの方が手っ取り早いでしょう。ちなみにお値段は少々高くなりますので注意です。

 

そんな感じのつくしですが、肝心の栄養成分はと言いますとカリウムカルシウムなどのミネラル分が多く、ビタミン系統も割と多い方となっており中でもビタミンEの含有量は野菜類の中でもトップの多さとなっております。

ただ、これは「100g」辺りを摂取した時の物であり、ツクシ1本1本は総じて優秀であっても何せあの大きさなのでお察しください…

じゃぁ、毎日たくさんのつくしを食べればいいじゃない!と思う方も多いかと思いますが、つくしの中には微量ながらも「アルカロイド」と呼ばれる毒性分の類が入っており、あまり摂取しすぎると吐き気やめまい嘔吐などの中毒症状を起こす事もあるそうです。

アルカロイド」と言うと特殊な物質に聞こえますが、身近な物だとジャガイモの芽にも同じくアルカロイド系の毒が含まれています。芽の生えたジャガイモや、緑のジャガイモを食べちゃダメな理由がこれに当たります。

ただ、含まれているとはいえ多量に含まれている訳ではないので普通に食べる分には全然問題はありません。

 

まぁ、つくし自体を栄養摂取をする為の主力として食べる事は少ないと思うのでそんなに気にする事もなく、この場合は栄養素云々とか毒素が云々とかではなく、その季節にしか食べられない旬の食材として、気軽に食べるほうがよいでしょう。

自分で採る時の目安は、10センチくらいの長さに育った茎が細すぎない大きさの物が良いでしょう。また、採取する場所も注意し、車通りが少なく汚染物が少ない場所に育っている物を取るようにしましょう。