流行は流行でも、最先端に乗りたくない流行(インフルエンザ)

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そろそろインフルとかノロとかが流行ってくる季節になりますが、こういう流行には乗りたくはない物です。 しかも、ウイルスは時に変異して大流行となるために非常に厄介ですよね。

 

ウイルスは人の細胞が持つDNARNAの両方の情報媒体を持つのに対して、DNARNAのどちらかの遺伝情報を持っています。 ウイルスは基本的に、侵入した宿主の細胞に寄生して自らのコピーを大量生産させるのですが…特に、このRNAを持つウイルスは細胞分裂をする際に変異を起こしやすい上に、媒体となる細胞にたまたま異なるウイルスが二つ付いてしまうと、ウイルス同士のRNAが混ざって双方の特性を引き継ぐ場合がありやっかいです。(例:強力だが人には感染しないウイルス+弱いけど人に感染するウイルス=強力で人に感染するウイルス)

 

とはいえ、突然変異は全てがプラスに働くわけではなく、例えば「増殖能力を失う」とか「寿命が極端に短い」などの負の要素に変異が働く可能性もあり、変異した能力だけ見ると強力でも、増える力が無かった等もよくある話だそうです。 さて、この時期厄介なインフルエンザは変異もしやすい事から何となくわかった方もいるかと思いますが…変異しやすいRNAを遺伝情報として持つウイルスです。 そんなウイルスが変異して薬耐性を持ったり、今まで人間に感染したことのないタイプのウイルスが人に移るようになったりすると、最初から薬を作らなければならず非常にやっかいです。 そんなこんな手を焼いていると、段々に流行が広がりパンデミックとなる訳です。

 

そして、インフルエンザ等で一番怖いのが合併症となります。と、言うのも毎年インフルエンザによって亡くなる方はいるのですが、その死因となる原因としてインフルエンザ自体よりも、合併症にて亡くなっている方の方が多いのです これらの合併症は体の抵抗力が低くなればなるほどに引き起こしやすくなり、長期にわたり症状が続くほど非常に合併症のリスクが高くなるというものです。

 

インフルエンザが引き起こす合併症、そして死因として一番多いのが「肺炎」となります。 このインフルエンザから起こる肺炎の種類は2つあり、「インフルエンザウイルスから引きおこる肺炎“インフルエンザウイルス肺炎”」インフルエンザで抵抗力が落ちたことから他の細菌が入って起こる肺炎“二次性細菌性肺炎”」がそれにあたります。 高熱続きで咳が酷く、呼吸困難や胸の痛み苦しさなどがある時はコレを疑うべきでしょう。

 

インフルエンザは老若男女関係なく感染し、抵抗力のない子供にとっては脅威となります。 特に小さい子の合併症として恐れられるのが「インフルエンザ脳症」となります。 はっきりとした原因は不明となっていますが、考えられる例としてはインフルエンザの毒性に対して免疫が過剰反応を起こし、脳にダメージが行くのでは?と言うものです。 一時期は死亡率がかなり高い病気でありましたが、今現在ではやや下がった物の、それでも後遺症を残す可能性があるとして恐れられます。

 

また、時にウイルスが心臓にまで影響し、心筋炎」や「心膜炎」と言った重大な病気を引き起こすことがあります。特に心筋炎は単体で発症した際も、初期症状が風邪と変わらないために表面上の判断が難しく、心膜炎も単体または心筋炎と併発して起こることが多く症状のいくつかの点がインフルエンザや風邪と被る為、発見が難しい病気とされています。 特に、両者ともそのまま気が付かないでいると心不全意識障害などを引き起こし、最悪心停止に至ると言います。

 

これらの合併症は特に急激な変異やパンデミックが起これば必ず起こるというものでもないのですが、普通のインフルエンザの感染にて起こることもあります。 ただの感染症と侮らず、ちゃんとした治療をするようにしましょう。