和食を支える冬の大事な野菜の一つ、大根!

f:id:pegasasu-0120:20171027093628j:plain

寒くなると暖かい物が食べたくなる…ん~、火の扱いを知った人間ならではの発想ですね。

さて、今月も11月に入り今年も残りあと今月と来月の二回で終わってしまうという…そして年末と言えば、寒さが強くなり12月に入れば雪も降ってくるものです。雪は嫌ですね。

雪も降るような日には、外に出ないでゆっくりと家の中で暖かく過ごしたくなりますね。

今でこそ暖房器具や衣類も冬用が充実しており、「寒い、寒い」とはいえ、家の中では大抵がぬくぬくと過ごす訳ですが…その昔、江戸時代とかではいったいどのように過ごしていたのでしょうかね?

 

実は江戸時代の日本と言うのは「小氷期」と呼ばれる地球全体が寒い時期に重なっており、どのくらい寒いかと言うと「墨田川が完全に凍る級」だそうです。

さて、そこまで厳しい冬期になると冬を越す為に様々な物が考えられたのは当然となり、火鉢をはじめ炬燵行火、さらにはカイロの原型となる温石などが使われていました。そして、冬に食べ物不足に備えて、乾燥させたり漬物にしたり、はたまた発酵させたり等をして長期保存ができるように加工や工夫がされていました。

 

そんな冬場の日本の食を支えた野菜として、皆さんご存知の大根があります。当時も今と変わらず乾物や漬物にされ冬越の保存食として厳しい冬には重宝されておりました。

また、大根はご存知の通り根の部分を主に食べるわけですが、葉っぱの部分も食べることが出来、大根菜と言う名前で今も出されている事もあります。

豆知識として、大根は生で食べても滅多な事では食あたりしない所から、当たらない役者を「大根役者」や野球で当たらないバッターを「大根バッター」と呼んだりします。

 

さて、この時期においしい大根には、風邪予防に良いビタミンCを始めとするビタミン類の他にカルシウムや食物繊維が豊富に含まれており、そのほかに分解酵素の一つであるアミラーゼやオキシターゼを含んでいます。

アミラーゼは、古くから知られた消化酵素の一つで、成分を取り出して胃薬や消化剤の薬としても販売されており、胃もたれ・胸やけの治療・予防薬として重宝されていました。有名な夏目漱石「吾輩は猫である」の本文の中にも、実際に薬として使われる描写がある辺りから、明治時代にはすでに周知された成分であったと言えます。

大根のアミラーゼは、胃の内部にてデンプンなどの糖類の分解を手助けして、胃腸の機能を活発化させる効果があり、さらに辛み成分でもあるイソチオシアネートも胃液の分泌を促進させてくれる効果があります。

 

辛み成分であるイソチオシアネートは、大根を削ったりした際に作られる成分であり、イソチオシアネートと言う成分単体がある訳ではなく、大根に含まれるそれぞれ別な成分が大根の細胞内にあり、それらが擦り下ろされて細かくなった際に化学反応を起こして辛み成分が発生します。

イソチオシアネートには強力な殺菌成分があるとされており、辛いので痛いかもしれないけれども口内炎や歯肉炎などの口の中の炎症に効くとされています。

しかし、大根おろしなどで下ろして使う際にはイソチオシアネートは揮発性が高いため、早々に食べないと本来の効果を得られないのに注意です。

ですが逆に、辛みが苦手な方は少し時間を置くことにより辛みがなくなるので、辛いのは苦手だけれども大根おろしをかけて食べたい場合には少し置くと食べやすくなるでしょう。

ちなみに加熱するとさらに辛みが飛びやすくなり甘みが出てきます。

 

寒い時期、どんな料理にも合う大根の良い季節です。ちょうどこの時期ですとおでんなどでも大根は大活躍します。筆者も今夜はおろしそばが食べたい気分になって来ましたので今日はこの辺りでお暇します。