無くなってからでは遅いのだよ。立派な歯がある内に使っとけ!咬筋力。

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ラーメン、パン、餃子、ハンバーグ、オムライス…
今の日本は、昔よりもはるかに食の選択肢が増えております。食が豊かになると言う事は、それだけ人が幸せになれると言う事なので、とても良い事だと思います。が、食べ物の種類が増え、いつでも手に入り、食べやすいように加工されるようになったが為に、その食生活から病気を招く事態も多くなりました。
そして、その食生活を背景にした影響は、病気の他にも人の身体に大きな影響を与えています。

 

その1つに「咬筋力の低下」があげられます。咬筋力なんて言うと分り辛いですが、噛む力と言うと分かりやすいでしょう。
先の通り、食べ物の多様化に伴って噛む回数が少なくても食べられるものが多くなり、顎の筋肉を使わない為に筋力低下が起こっています。
「何の問題もないのでは?」
と思われるでしょうが、この咬筋力の低下…もとい顎を使わない食生活と言うのは後々に自分の体に大きく影響してきます。

 

そもそも、物を食べる…咀嚼すると言う事には「食べ物をかみ砕く」と言う意味の他にも、口の中を刺激する事によって各臓器への消化液分泌の合図となり、口に入った食べられない物を排除したり物を飲み込みやすくする為に唾液を分泌するのに行います。

 

その為、よく噛まないで食べる事は胃腸への負担を急激に増加させます。
固形物がそのまま入ってくるので、胃が通常以上に働かなければならなくなります。常にそういった環境になると、胃液が多く分泌されるようになり胃酸過多の原因となり、また、物を噛む事が少ないと、唾液の分泌も十分に行われない為に口の中が乾きやすくなります
本来ならば唾液の効果により、食事の後も口の中は洗浄・抗菌されて口の中の酸性度も中和されるのですが、それが十分に行われない為に虫歯や口臭の原因を作る事となります。

 

また、物を食べる事によりその刺激が脳に働いて脳の機能を活性化・発達させると言います。
若い方に限らず、中高年の方も良く物を噛んで食べる事により「認知症」のリスクを減らして物忘れの防止する事が出来、高齢者になると寝たきり状態への予防として、良く噛んで食べる事が良いとされています。
噛む事が何故体に良いのか?口を動かすと言う行為は何も顎や咬筋力だけの事ではなく、脳の咀嚼中枢と呼ばれる部分にて動かされています。口を動かし物を噛む事により、歯根膜より刺激が咀嚼中枢へと伝わり、そこで噛む力を調整する為に脳を働かせる効果があり、顎を活発に動かす事により血流の流れを良くし、脳全体の血流を良くする為に脳に良いとされております。

 

また、噛む事によって心身のリラックス効果を得られることも確かです。スポーツ選手や、戦場で戦う兵士の多くがガムを噛んでいると言います。
これはガムを噛む事によりコルチゾンと呼ばれるホルモンの発生を抑制し、緊張状態を緩めて、平常心に近い状態を作り出す為だと言われています。

 

現代、日本人の顎の力は徐々に弱まってきています。先ほどのように軟食化が進んだために、驚く事に子供の中では「ガム」「ホウレンソウ」ですら「硬い」と感じる事があるそうです。先のように、噛む力と言うのは脳にも影響男及ぼし、また、人の体は絶妙なバランスで作られている為、一か所をダメにするだけで連鎖的に体のあちこちに不具合を示す事があります。まして、成長期の子供の場合、その影響は大きく、たかが顎の事と思っていても長い年月をかけて骨格や筋肉の変形などが現れる事も珍しくありません。

また、顎や歯も骨と同質のものですので、使わなければ劣化していきます。
いつもやわらかい物を選んで食べるのではなく、顎の為にもたまには噛んで食べると言う事をしてみましょう。