花粉症とは…アレルギーとはいったい…アレルギーのメカニズム

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さあ、今年もやってきました4月。

日本では新年度の始まりの時期であり、寒い気候が徐々に温暖に変わり過ごしやすくなってくる時期ですね。そして、筆者の嫌いな花粉症の季節でもあります。
さて、花粉症は知ってても、どういうメカニズムでアレルギーが起こるのか?となると、イマイチ分からなかったりしますが、本日はそんな花粉症のメカニズムのお話です。

ご存知の通り花粉は空気中を漂い、それを人が吸い込むことによって鼻などの粘膜から体内に侵入します。進入してきた花粉は体内の免疫細胞から見れば、「細菌」「ウイルス」と一緒の外敵になる訳で、それらを免疫細胞はやっつけ、その際に作られた「IgE抗体」「肥満細胞」へとくっつけます。

この肥満細胞は脂肪を意味する肥満とは別で、内部に「ヒスタミン」と呼ばれる神経伝達物質を内包しており、体の中に異物が侵入してきた際に脂肪細胞についたIgE抗体が侵入した物質と反応し、もしそれが「以前に侵入してきた物と同じ」であれば中かヒスタミンを放出して、血管を拡張し、血圧の低下を行い免疫細胞の働きを手伝います。

そして、花粉が侵入するたびにIgE抗体が作られ肥満細胞に取り付くわけですが、それがある一定量まで達した時に再度原因物質と触れる事で、爆発的に体にヒスタミンが放出されるようになり「目のかゆみ」「鼻水」「くしゃみ」と言ったアレルギー反応を表すのです。

 

と、小難しく語りましたが…まぁ、簡単に言えば「肥満細胞=監視員」で「IgE抗体=手配書」みたいなものと思ってください。

「国境周辺(皮膚、粘膜周辺)」を「監視員(肥満細胞)」が監視しており、侵入者を見つけたら、「手持ちの手配書(IgE抗体)」と照らし合わせ、ピンときたら「警報を鳴ら(ヒスタミンを放出)」し、「警戒兵(免疫細胞)」を呼んで侵入者を排除してもらうと言う事です。

 

ただ、ちょっと厄介なのが…この「手配書(IgE抗体)」は「警戒兵(免疫細胞)」を呼ぶたびに作られて、「監視員(肥満細胞)」の元に増えていき、「監視員(肥満細胞)」の方は積み重なる「手配書(IgE抗体の蓄積)」の量から「あ、こいつは毎回侵入するアカン奴だわ…要注意だわ」みたいな感じに警戒レベルを次々と引き上がっていくわけです。(IgE抗体蓄積量=ヒスタミン放出量)

 

そして、最終的には今まで侵入してた花粉を発見しても「またお前か!何度追い返されたら分かるんや!」だった「監視員(肥満細胞)」が「侵入者あり、全力を持って排除せよ!」くらいまで発展してしまい、花粉が侵入するたびに過剰に「警報を鳴らし(ヒスタミンを放出)」、「警戒兵(免疫細胞)」を呼ぶのでアレルギー反応が出る訳です。侵入者からすれば侵入したら完全武装の軍隊が待機してたみたいな状況です。

鼻水やくしゃみ、目のかゆみはそれこそ鼻や口、目の粘膜と言った外気から近い位置から入ってこようとする花粉に対して、過敏なほどに「警備兵(免疫細胞)」を呼んで「外敵の排除(ヒスタミンによる血圧低下と炎症作用による分泌液(鼻水、涙)での物質除去)」を行っている為になります。

その為「花粉症は誰でもなりえるし、いつなるかもわからない」と言った事は嘘ではなく、その通り「監視員(脂肪細胞)」がどの程度の「手配書(IgE抗体)」を持った時点で「こいつヤバいわ~」となるのかで変わってきます。

 

ちなみに、この「監視員(肥満細胞)」の警戒レベルが限界まで達した段階で侵入されると「監視員(肥満細胞)」は全身の「警戒兵(免疫細胞)」及び待機中の「監視員(肥満細胞)」に一斉に危険情報を流し「道路の封鎖(ヒスタミンによる炎症作用からの血管拡張とそれに伴いう血圧低下)」を一気に引き起こす為に、急激な血圧低下からショック症状や炎症作用で気道が塞がれて呼吸困難が起こります。

れがいわゆるアナフィラキシーショック症状と言うやつです。スギ花粉では滅多にならないようですがイネ科やキク科の花粉では例があるそうです。

 

ざっくりですが、こんな感じが花粉症のメカニズムとなります。

結局は体内に取り込まれる花粉の量で大きく差が出てくるわけですので、花粉時期はマスクや眼鏡をしてなるべく吸い込まないようにしたり、外出から帰ってきた際も花粉を除去して室内に持ち込まないようにして、こまめな清掃で部屋の中の花粉も除去するなどの方法を使って予防しましょう。