うんまぁぁい!冬の牡蠣!…だが彼らも黙ってやられるわけではない!冬のノロウイルス!

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冬季になると美味しい牡蠣…しかし、筆者はカキフライしか食べられないのである。

牡蠣は、鍋でも焼きでも生でも美味しく頂けると言う事で、昔から日本人…のみならず欧州などでも好んで食べられていますね。牡蠣専門店がある位だから、好きな人が多いのも納得。

 

しかし、そんな牡蠣には時限爆弾が隠されていると言う…はい、この時期に症状を訴える方が多いノロウイルスですね。

ノロウイルス=牡蠣」だと思っている方も多いと思われますが…実際は二枚貝ならどれも確率は一緒で、アサリシジミアカガイハマグリ等々食べ方次第ではこれらでも食中毒の可能性があります。

ではなぜ二枚貝だけなのか?これは二枚貝の生態系にヒントがあります。

巻貝と二枚貝と二種類の貝がいますが、サザエなどを代表とする巻貝は基本的に岩に付着した海藻などを食べて生きています。対して二枚貝は海水を吸い込み、体内でプランクトン有機物をこしとり、残りの海水を外に出して生活しています。このような餌を取り込む方法の為に、時に有害な物も取り込んでしまう場合があります。

しかも、取り込み続けるごとに貝の中ではその毒素となる物が段々と蓄積されていく訳ですので、最終的に、それを人が食べると…毒に当たってしまう訳ですね。

 

ノロウイルスは吐き気や嘔吐、下痢を発症させるウイルスであり、これを原因とした中毒症状を「急性胃腸炎」「ノロウイルス感染症と言います。

ノロウイルスの感染経路はその通りウイルスを保有した物を食べてしまう「経口感染」の他に、ウイルスに感染した人がくしゃみや咳をした際に飛んだ唾液などから感染する「飛沫感染」の二種類となります。

侵入したウイルスは十二指腸~小腸の部分で繁殖をし、12時間~24時間の潜伏期間を経て症状を発動させます。症状的には3日前後で収まりますが、その後の1週間~3週間はまだ体内に菌が存在している状態となっているので注意です。

 

さて、先のような吐き気や嘔吐の原因ノロウイルスが出す強力な毒素等ではなく…
これが十二指腸等の細胞に取り付くことによって細胞を次々と壊しながら増殖して広がって激しい腹痛が起こり、このウイルスを物理的に出そうと下痢と嘔吐が起こり…そして、免疫細胞によるウイルス排除のために発熱と悪寒が起こると言う訳です。

 

普通は自然治癒してしまうのですが、子供や老人などでは体力が無い為に重症化や脱水症などの注意が必要になる他、極まれなケースではありますがノロウイルス感染症から十二指腸炎になりそこから潰瘍穿孔が引きおこる事もあります。

 

さて、このノロウイルスに感染してしまったら特効薬とか治療薬とかは一切ございません。身体からウイルスを出し切らない限りはずっと症状が治まらない訳です。その為、感染しない様に日頃から注意を心がけるか、かかってしまったらなるべく症状を抑えずに排除しきってしまうかのこの二つの方法が最も良い方法と言います。

 

ノロウイルスは90度以上の温度に1分半以上さらされると死滅してしまいますので、十二分に加熱させて食べる事を心がけると良い事はもちろん、生の牡蠣等を調理した際には一度、道具を洗浄してから他の物を調理するなどを徹底した方がよいでしょう。

ちなみに「生食用の牡蠣」「ウイルスが検出されていません」等ありますが、この場合は「検出されてない」と言うだけで「全くいません」と言う保証でない所に注意が必要だとか。確かに普通の物に比べると、当たる確率は低いのですがそれでもゼロではないとの事です。

 

生で食べたい気持ちは分かりますが、なるべく火を通す方がやはりこの時期は良いのかもしれませんね。

ちなみに生食用の牡蠣に火通しすることは別に悪くはないのですが…生食用の物は火によって身が縮まりやすく、うま味なども薄くなり易いんだとか。