今更だけど人に聞けない…なぜ、ジェネリック医薬品はあんなに安いのか?

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日々、人の技術は進歩し続けている物であり少し前までは最先端であった物も、気がつけばすぐお古に…そうやって、新しい物が次々と出てくることによって苦心する場面もありますが…逆に、当初は非常に高価な物であっても、後に生産性も安定し、購入しやすい価格となって販売される場合もあります。極端な例として、テレビとかがそうですよね。

 

それと同じような物がお薬の中にもあります。一度は耳にしたことがあるかもしれない「ジェネリック医薬品」ですね。

このジェネリック医薬品、非常に価格が安く設定されており「先発品」と比較すると、2分の1くらいまで安くなる物も多く、もっと安くなる物だと5分の1くらいまで値が下がったりするものもあります。しかもそれでいて、効果・効能変わらずと言う優れもの…では、なんで「先発品」と「ジェネリック医薬品」では金額に差が出来るのか?

 

たとえ話をしましょう…一つ新しく「馬鹿」を治す薬が作られるとします。

これは誰も作った事のない薬ですので、どんな成分が「馬鹿」に効果があるのか?そもそもなんで「馬鹿」になるのか?原因物質は何なのか?等の研究から始めなければなりません。

と、すると何もかも手探りですから研究費用も非常にかかる訳で、必要資金も1000万とか2000万の世界ではなく億の単位で金額が行きかう世界であり、研究も半年とか1年とかで終わる訳でもなく、十数年かかる事もあります。

こういった時間と資金を使い、ようやくできた「馬鹿の特効薬」。これが様々な承認を経て世に出る時に、製造社側にはとある権限が与えられます。それが「特許」になります。この特許のおかげで、発表から約20年に渡ってその薬の成分や、その成分の作り方などを秘密にしておくことが出来るようになります。ようは独占販売が可能となる訳です。

「20年も独占販売するのか!」と思うでしょうが、作るまでに50億円かかるとして、それを20年で回収できなければ、会社としては赤字になり次の薬が作れない訳です。な物で、先発品の方が若干、お値段が高い訳です。

 

さて、今度は20年と言う特許に守られた時間が過ぎてしまった薬ですが…そちらは「薬の主成分の効果と詳細」が公開される為に、どこの製造社でも作れるようになるのです。すると、製造の為の研究費も時間も使わない為に非常に低い価格でお薬を製造・販売できるようになる訳ですね。

これがジェネリック医薬品がなぜ安いのか?と言う所に繋がっていきます。

 

効果も同じで、値段も安い…こう考えるとジェネリック医薬品の方が全体的にお得なのでは?と、思われるでしょうが…それでもやっぱり弱点があります。

それは、何らかの理由で後に「先発品」に追加で効能が加えられた場合です。

例えば、先に出していた「馬鹿の特効薬」に後々に「阿呆にも効く」と言う効能が加えられた場合…ジェネリックの方は、先の通り「馬鹿の特効薬」としてならば特許が切れているので使える訳ですが…その「阿呆」への効果に関する特許は「馬鹿」とは別に発生している訳ですので、特許が生きている場合があります。

なので、ジェネリックとして全く同じ成分で作られていても「阿呆にも効く」とは言えないんですよ。実際には同じ作りなので効果はあるんでしょうけれども…

なので、このジェネリックは「阿呆への薬」としては使えない為、もし使う場合には、お客様の自己責任と言う事で全額負担で購入してもらうしかなくなり、オリジナルより高くなると言う結果になります。

 

後は製造方法。先のとおり「馬鹿」に効く成分などの詳細は明らかになるのですが、オリジナルにつかわれている安定剤や添付剤、加工方法などは公開義務から外れてますので、そっちはジェネリックを作る製造社側の技量となります。

一応、ジェネリック薬として作られた物も厳密な審査を受けて販売される訳ですが、ごくごくまれにそのジェネリック側の薬につかわれた添付剤や安定剤によって副作用が強く出たなどのケースもあるんだそうな。

 

ジェネリック医薬品が効果効能は一緒なのに価格がイキナリ安いと言う事で色々と警戒する人も多いですが、安いのにはこういった理由が有るんですね。