宇宙空間と骨の意外な関係…そして、それは他人事では無かった!
普段気がつかないだけで日本にはたくさんの記念日があります。
国が決めた記念日で63種類。日本記念日協会が「記念日」として決めた日だと1600種類あります。そんなこんなで、なんでもない日に思えても実は何らかの記念日であったりするようです。
例えば近く4月12日は1961年同日にソ連が世界初の有人衛星に成功した日であり「地球は青かった」で有名なガガーリンさんの日…「世界宇宙旅行の日」の日になっています。
さて、宇宙空間と聞くとどんな所?と聞くとすぐに思い浮かぶのが「無重力」である事。だと思われます。
一度でいいから体験してみたい無重力空間。楽しそうですよね。
しかし、人は長い時間、無重力空間にいると筋力が急激に落ちていきます。理由は単純で、無重力では「重さ」が無い為に、筋力を使わなくなるので筋力が落ちる訳です。
この、筋肉量が減るのは有名な話ですが、実はもう一つ無重力空間にて減少してしまう、筋肉量よりも深刻な物があります。
それが「骨」になります(厳密には骨密度)。
骨は人体を形作る上で最も重要であるも、ある年齢を超えると育たなくなったり、体の深部にある為に、一度形成されればずっと同じままだと思っている方も多いと思われます。
が、実は成長しきった骨も他の体の組織と同じく生きている組織であり、代謝によって入れ替わっています。
骨の代謝を支えているのが、古い骨細胞を壊す「破骨細胞」と壊された骨細胞の再生を行う「骨芽細胞」の二種類になります。
これらの細胞によって、気がつかないだけで骨は3年くらいの月日でそのすべてが入れ替わります。
さて、この二つの細胞…壊す方の細胞は頼まれなくとも自動的に動いているのですが、逆に骨を作る方の細胞は動く為の条件があります。
それが筋力と同く「使う事」になるのです。
例えば、何か重い物を持つとしましょう。それを持った際に当然筋肉には負荷がかかり、それを支える骨にも当然負荷がかかります。同じく歩いたり走ったりした際にも、筋肉・骨を動かす訳で負荷になります。
この「負荷がどのくらいかかっているか?」を基準にして、骨芽細胞はその働きを強めたり弱めたりしている訳です。
地上では普通に生活している時でも、日常生活の中で少量ながらも負荷が生じている為に骨芽細胞は動いている訳ですが、それが無い全くの無重力空間では骨芽細胞は働きません。
その為に骨密度の低下が生まれる訳ですね。
無重力空間では極端にその影響を及ぼす訳ですが、骨密度の低下は地上にあっても同じことが言え、それの原因の一つに「運動不足」があげられます。
特に、年齢を重ねていくとホルモンバランスの低下や栄養吸収率の低下などもある為に、骨内に含まれるカルシウムが血中に溶け出てしまう事も多く、骨密度の低下が起りやすくなります。
それに加えて、体力的に動かない傾向が続くと先の通りに骨の強度がぐんぐんと下がるため、骨粗鬆症や骨折などが起りやすくなります。
一度、骨密度が低下した骨は再生させることが非常に難しく、宇宙開発においてもここ最近になって骨密度の低下を阻止する方法が発見されましたが、それ以前では長期間の宇宙滞在に置いて、低下をどう回避するかが難題としてあげられていたほどです。
これは地上でも同じく言える事で、それを回避するためにはある程度のやはり運動も必要な訳なのです。
そして、ちょっと前まではこういった話は高齢者の方が多かったのですが…最近では子供もまた、運動不足からくる骨の強度低下による骨折が多いのだとか。外で遊ぶ場所が無かったり、ゲームが常に出来る世の中になってしまった事による弊害とも言えるでしょう。
日本の将来が心配です。