夏の風物詩にして、意外に多い花火の火傷

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日本の夏の風物詩「花火」。筆者も大好きですね。

大人から子供まで幅広く楽しめる夏の定番であり、日本のお祭りの最期を飾りもします。

種類も色々で、 手に持つ花火から、宙に飛び上がる物地面に置いて噴出する物など様々なモノがあります。

筆者の小さい頃などは子供会で地区の花火大会などがあり、割とこの時期の楽しみの一つだったりしました。

幼い頃の良い思い出になる楽しい花火ですが、一つ忘れてはならないことがあります。それが、花火は「火」や「爆発」を取り扱う危険な遊びと言う事です

 

正しい使い方をして遊べば何ら危険性は無いのですが、どうしても花火を語る上で避けられないのが「事故」。個人による花火の事故は毎年「分かっているだけで」70件前後起こっており、報告されていない物も含めると実際はもっと多くなると思われます。

 

どういった事故が多いのか調べてみると、製品の異常もある訳ですが…やはり多い「間違った使い方」の数々。

前方に人がいるのに花火を点火して火傷を負わせたり、打ち上げ・吹上花火を覗き込んで顔を火傷とか、打ち上げ花火をしっかり固定しないまま使い風で倒れて人の方へと火が出たりと、そんな事故が多い事。

中には、持っていた花火の火の粉が浴衣に燃え移り重傷を負うケースもあります。

しかも、不注意・誤った使い方による事故は大人も多い事に驚きである。

 

花火の怪我は火傷が大半なのですが、問題はその温度。

花火の火が出ている部分の温度は凡そ500-550度と火である為に非常に温度は高く、さらにねずみ花火爆竹のように最終的に爆発するタイプの花火では火の粉や破片が辺りに飛ぶ為により火傷に注意しなければなりません。

火傷はご存知の通り熱によって皮膚・粘膜やその下の組織に損傷が起こり発生する外傷です。赤くなったり 水膨れが出来たりしてヒリヒリと長時間痛みと熱を持ち続けるのが実に嫌らしいのは知っての通りかと思われ、治療が遅れると跡が残るのも火傷の厄介な所。

火傷の症状は全部で3(4)つに分類され、皮膚が赤くなる程度で済む第Ⅰ度熱傷と、水膨れが出来て痛む第Ⅱ度熱傷。傷の場所が黒・白に変色し、その部位は痛まず水膨れにもならない第Ⅲ度熱傷となります。

さらにその内、第Ⅱ度熱傷は同じ水膨れでも、比較的傷の浅い「浅達性Ⅱ度熱傷」と深い組織まで傷が到達し、治りづらい「深達性Ⅱ度熱傷」の二つのパターンに分かれます。

第Ⅰ度熱傷と浅達性Ⅱ度熱傷は比較的早く治るのですが、その上の深達性Ⅱ度熱傷は場合によっては1ヶ月以上も治療に時間を要し、最悪の場合は第Ⅲ度熱傷と同じく完治には植皮が必要になる事もあります。

火傷を負った時に最初にすべきことは、軟膏を付ける事でも消毒液を探す事でもなく「冷やす事」です。しかし、あまり強く流水を当てると脆くなった傷口が崩れたり、直接氷を当てたりすると逆に凍傷にもなりかねるので、その辺は適度に行う事が良いでしょう。また、市販されてる冷却スプレーなどは用途が異なる為に使用は厳禁です。

 

ある程度、痛みが引くまで冷やすのですが赤くなるだけの「第Ⅰ度熱傷」や、完全に変色する「第Ⅲ度熱傷」は分かりやすくも、その中間である水膨れが発生する「第Ⅱ度熱傷」の2タイプは浅い方は家庭でも時間をかければ治せるが、深い方は以後の傷の治りが長く専門の治療を受けないと傷跡が残りやすくなる。

その為、見極めが重要となるのであるが水膨れが出来た程度の段階ではどちらのやけどなのか専門医でも見ただけでは判断が難しいと言います。

また、見た目は第Ⅱ度熱傷であっても時間が経って実は第Ⅲ度熱傷だったと言う場合もままありますので、大事を取れば医療機関に掛かる事をお勧めします。

なお、幼児の場合は大人よりも皮膚が弱く、火傷面積も大きくなりがちなので油断を決してしないようにしましょう。

 

楽しい時間でも一歩間違えるとケガをして台無しになって仕舞う事がいっぱいあります。

この時期の花火、ちゃんと注意をして火傷に気を付けながら行いましょう!