空腹が続くとどうなるの?お腹がすきすぎる事で起こる身体の働き!

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普段何気なくやっている「食べる」という行為。

生物が生存する過程では必須…というか「食えなければ死ぬ」のが自然の掟なのは当たり前ですよね。しかし、自然界とは仕組みの違うこの人間社会…飽食の時代でもある現代に置けては余程の事情が無い限りは「飢える」と言う事は無い訳ですが、中にはダイエットや健康の為、体調を整える為と 断食を図る人たちもいます。

ご飯を食べずに過ごす、断食をすることによって身体が軽く感じたり思考がハッキリとするようになったと言う話をちらほら聞きますが、この「断食」をすることで体の中ではどんな状態が起こっているのでしょうか?

 

断食を始めてすぐの頃…体の中にはある程度、食事を摂取しなくとも大丈夫なようにエネルギーを保存しておく仕組みがあります。それが、皆さんご存知の「脂肪」であったり、肝臓内部で作られる「グリコ―ゲン」と呼ばれる糖結晶物質だったりします。

このうちの、肝臓内で生成され蓄積されている糖結晶体であるグリコーゲンを最初に消費し始めます。

このグリコーゲンは、糖分の集まりのような物で普段は緊急用の保存エネルギーとして肝臓を中心に保存されており、緊急の際にこれを分解し、グルコースと言う物質にして身体の各所にて消費します。

特に、 脳は糖分のみをエネルギー源として活動する為に体内のグリコーゲンを使用した際にも、その25%が脳で消費されてしまいます。

 

しかし、この体内のグリコーゲンはあくまで緊急用の物質…貯蔵量は少なく、最大でも半日くらいしか持ちません。

そうすると、一番機能しなくてはならない脳内へのエネルギー供給が少なくなります。この状態がよく言う「お腹が空いてイライラする」の状態です。

そして、この状況になると次に体内で行われるのが第二のエネルギー貯蔵である脂肪の分解です。最初に肝脂肪から始まり、その後に身体に付いている脂肪が消費され始めます。

この脂肪を分解する事で生成される 「ケトン体」という物質。先のグルコースのかわりにエネルギーとして用いられる物質で、脳の栄養源の代用にもなり、身体のエネルギーにも使われる物です。この脂肪分解できる「ケトン体」をエネルギーとし、その他の必須アミノ酸やビタミンを別に摂取する事で行われるのが、よく言う「糖質制限ダイエット」という物です。

このケトン体はエネルギーの代用品として用いられる訳ですが、血中のケトン体の量が増えてくると血液が酸性に傾くケトアシドーシスと呼ばれる状態になり、あまりひどくなると「腹痛」「吐き気」「疲労の他、重症化すると意識障害」や「昏睡」を引き起こす事もあります。

 

さて、このまま絶食をさらに続けた場合にはどうなるのか?

体脂肪が分解され始めるころ、同時に人間の体の中では別の大事な組織も分解され始めます。それが、筋肉組織・骨組織になります。

人が生きるうえで食事から摂取される必要な物は糖分やエネルギーだけではなく、アミノ酸やビタミン、脂肪酸なども必要になります。当然、身体の脂肪を分解しただけではこれらの必須栄養素を得る事はできず、別な物から代用をしなければなりません。

その為、人体の中で最も多く存在している骨や筋肉を分解して栄養素を作り出し始めます

この状態に入り、身体の脂肪組織がある程度分解されるまでには平均的な体脂肪率を持つ成人でも大体2か月~3か月の時間がかかるとの事で、一応は食べなくても水分さえ摂取できていればこの間は生存可能です。

ただし、この状態は絶食…と言うか「飢餓」の状態であるため、一応生存はできている物の健康か?というと、それからは程遠い状態になります。

ちなみに長らくこの状態に陥り、その後に普通の食事を摂ると死ぬ可能性があるという。

 

とまぁ、こんな感じになります。食べすぎも体に悪い訳ですが、食べないのも度が過ぎると大変な事になります。「食事制限を行う=脂肪が落ちる」という単純な話ではなく、その裏で人体では色々な事が起きているのだなぁと言う事を知っておくのも良い事でしょう。