昔からよく言う「手洗いうがいで感染予防」…効果はどれほどなの?

f:id:pegasasu-0120:20191121150442j:plain

昔から言われる「手洗いうがいで感染予防」 ワクチン空気清浄器の発達、消毒の多様化もあって、昔ながらの方法での予防なんか古っ!と思ってしまう筆者。
しかしながら、これがシンプルながらも効果的な感染症予防であるのだ!


この時期になると蔓延する感染症。
その原因となるのはウイルスや細菌と言った物になります。

これ等は様々な感染経路を経て人体に感染するのですが、今流行の風邪やインフルエンザの原因となる ウイルスの主な感染経路接触感染」飛沫感染となります。

接触感染は、ウイルスが付着した感染源に触れる事によって感染する方法で、飛沫感染は感染者からの飛ぶ唾液や体液を介して感染する方法になります。

感染してから発症までの時間は、そのウイルスの種類や感染者の免疫力によって様々ですが、インフルエンザで1日~2日、風邪の主な原因であるコロナ、ライノウイルスでは前者が2~5日、後者が2~4日後に発症させます。

 

さて、聞いた事ある人もいるかと思いますが…このウイルスには「消毒が効くもの」「効かないもの(効きづらいもの)」があります。
これ等の違いは、ウイルスがある構造を持っているか持っていないかによって決まります。
それを左右するのがウイルスが作るエンベローブと言う皮膜。これが有るか否かによって、ウイルスに消毒が効くかどうかが変わってくるのです。

このウイルスの持つエンベロープは、対象にうまく侵入する為の物だったり、免疫から自分の存在を消すシステムだったりと非常に厄介になります。

先の感染症のウイルスで言えば、インフルエンザウイルスやコロナウイルスがエンベローブを持つウイルスとなります。

これらのウイルスは、エンベローブの持つ細胞にくっつく機能の為に、流水のみの手洗いに対して強く水だけの手洗いでは完全に除去することができません。

…しかし、これらエンベロープを持つウイルスはエンベロープが侵入手段であり防御である為に、これを破壊されると簡単に死滅してしまいます。

そして、このエンベロープのくっつく部分は脂質と糖で構成されている為に石鹸やアルコールの消毒を用いて簡単に破壊することができます。

石鹸とか使わない簡易手洗いに強く、石鹸やアルコールに弱いのがエンベロープを持つウイルスになる訳ですね。

 

エンベローブを持つウイルスは、このように石鹸や消毒などで簡単に死滅させられるのですが、逆に持たないウイルスの場合はこの性質が逆になります。

エンベローブを持たないウイルスは ノンエンベロープウイルスとよばれ、石鹸や消毒では壊しにくい外殻を持っている為に、それらが非常に効きにくくなっております。

此方は風邪の代表的なウイルスであるライノウイルスなどが該当します。

その特性のおかげで消毒に強い訳なのですが…逆に取り付く為の手段を持たない為に、簡単に洗い流せてしまうと言う弱点を持っています。

石鹸や消毒には強いが、水洗いに弱いのがノンエンベローブウイルスになります。

 

そして最初に戻り、昔から言われている「手洗いうがいで感染予防」。
最たる感染経路・接触感染の元となる「手」を石鹸で洗う訳ですので…エンベローブもノンエンベローブも関係なくウイルスを排除できちゃうのです。
一緒に行う「うがい」も、うがい薬を使えば喉の奥に付いたウイルスも感染前に排除できちゃいます。
昔から続いている方法ですが、続けられるだけの信頼と実績があると言う事ですね。