「殺菌」「除菌」に「滅菌」…だと…!同じようで、ちゃんと区別されてる三種類

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似て非なる単語が多い日本語…今、筆者が手に掴んでいる消毒液に掛かれている文字「外用殺菌剤」。なるほど、殺菌効果があるのだな。と一目でわかります。

次に、手に取るはこちらの品物。そこに描いてあるのは「強力な消臭、除菌効果!」の文字。

ナルホド、除菌効果があるのか…と一目で分かります。

しかし、ここで一つ疑問が。「殺菌」にせよ「除菌」にせよ、菌を排除する役割を果たすという点で同じ意味な訳で、これは同じことなんじゃないのかな?と。

だが実際は「殺菌」も「滅菌」も違う物として使われており、何なら「滅菌」なんてのもあるからさらにややこしくなってくる。

…冒頭でもお話した通りに日本語には「似て非なる単語が多い」と言う事。「殺菌」「除菌」「滅菌」のこの三つも似ているようで似てない日本語なのでしょうか?

 

この三種類の言葉自体には実はちゃんとした区別がされております。

【殺菌】

描いて字のごとく「細菌を殺す」と言う意味。

殺菌の文字が使える物は薬事法で決められている物に限る為、主に消毒などの医薬品や石鹸などの医薬部外品には表記できるも、洗剤のような日用雑貨の物には使用できない。

逆を言えばそれ以外に明確なくくりが無く、「菌を殺す作用はあるが菌を死滅させられるとは言っていない」点にも注目。

つまり細菌全体の99%を殺せても殺菌ですが、1%未満しか殺せなくとも殺菌になる。(菌を殺している事自体には変わりない為)

その為、ちゃんとした効果を保証する表記ではないのである。

 

【除菌】

対象とする物体から微生物の数を減らすのが除菌菌を殺す訳ではなく減らすという点がポイント。菌が付着しても、そのまま拭き取ったり洗い流したりする。

また、微生物に対しては効力を持つが真菌類(カビなど)に対しては効果を持たないという。

菌を除去している点は殺菌と変わらず、また「どの程度、排除できているか?」と言う点が問われていない部分も殺菌と同じため、薬事法によって使える場所が限られている「殺菌」の文字の代わりに一般雑貨に用いられる事が多い。

 

【滅菌】

3つの中で最も厳密に決められている殺菌方法。

対象に付着している微生物に害が有ろうが無かろうが関係なく、そのほぼ全てを死滅させて処理する方法。

法律によって「対象に付着している微生物の生存確率が100万分の1」になる事でようやく滅菌と言う文字が使える。

我々の日常では滅菌された物を目にすることはあっても、滅菌する為の薬剤や道具を使う事はないと思われる。

 

と以上が「殺菌」「除菌」「滅菌」の違いになるようです。

滅菌と除菌の内容の一部が割と知らなかった方がよかったと思える訳ですが…それはそれとして、まとめるとこのような感じになります。

殺菌薬事法に基づいた物に表記できる物。実際どのくらい菌を除去できるかは不明。

除菌:医薬品、医療品以外の雑貨などに表記できる物。上記に同じく。

滅菌:付着した雑菌を法の定める基準まで死滅させた物。

 

ちなみに先の通り、医療品に使用される表記である「殺菌」ですが…こちらも似たり寄ったりの物として「消毒」があります。

消毒の場合は「ある程度の細菌の活動を弱め、有害物質を不活性化させる」と言う事なので、菌を殺す訳ではなくあくまで菌の力を弱めるだけに限ります。

なので効果的に言えば「消毒」<「殺菌」になります。