宮城と言ったら牛タン?今時期なら「セリ鍋」でしょ!隠れた宮城の名産「セリ」

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鍋を食べに行きたいな、と思う筆者。

この時期であれば「しゃぶしゃぶ」「すき焼き」みたいな肉鍋系を食べたいな~と思ったりするのですが…ここはやっぱり今の時期にしか食べられない「セリ鍋」を押したい所。

セリ鍋は全国共通…と思いきや、宮城県だけの郷土料理と言う事でちょっとビックリ。

「セリ鍋」は取り扱うお店や、作る家によって入れる物も変わりますが、基本的にはこの時期旬の野菜「セリ」と「鶏肉」。後は鍋の定番「ネギ」や「キノコ」、「豆腐」を入れて…と言った感じになります。

 

さて、野菜で「セリ」なんて聞いても「?」な人も多いと思いますが、セリは「春の七草」の一つで「七草がゆ」等にも入れられる野菜(野草)の一つです。

セリは主に湿地帯のような水気を含んだ土壌を好んで生息し、野生であれば田んぼの畦道や休耕田などに生えている事があり、水田にて野菜として栽培する場合もあります。

宮城県ではその通り「セリ鍋」ですが、秋田県では「きりたんぽ鍋」にセリが入るようで、鍋的にもそちらの方が全国で有名。

 

春の七草の一つでもあるセリ。正直、他の野菜と比べるとその知名度がグンっと下がるのですが…古くから日本にある食材の一つで、中国とかでは生薬としても使われる漢方薬的な野菜でもあります。

セリは野菜では珍しく、葉や茎はもちろん根っこまで食べられる野菜であり、セリ鍋やきりたんぽ鍋にも根っこも一緒入れられます。

セリは豊富にβカロテンを含んでおり、βカロテンはカルテノイドの一種であり強力な抗酸化作用を持つ栄養素になります。

体内ではビタミンAに変化されて使用され、免疫機能を向上させて、皮膚や粘膜を修復してくれます。

また、豊富に含まれている食物繊維には腸内の老廃物質を運搬してくれる作用を持っており、体外への排出を手伝ってくれる他、コレステロールの低下を助けて糖質の吸収抑制をお手伝いしてくれます。

 

先の通りセリのは生薬としても使われており、茎や葉を乾燥させて粉末化して使用されます。この生薬として加工されたセリは「水芹(すいきん)」と呼ばれ、適量を煎じて飲めば食欲増進、解熱、神経痛、リューマチ、黄疸に効果があるとされております。

 

色々な栄養素や、生薬としての効果を持っているセリ。

その通り、野生の物も多く生えている為に慣れた人であれば自分で採取する事も可能ですが、その際の注意点もいくつかあります。

姿形が非常に似ている物の毒性を持った「ドクゼリ」と呼ばれる種類の植物があり、慣れた人でも年に何回か食中毒をおこしている物があります。

ドクゼリは毒草として知られトリカブトと並んで 日本三大毒草に入る危険な植物です。

食べてしまった際には「頭痛」「痙攣」「嘔吐」と言った食中毒症状をはじめ、「意識障害」や「呼吸困難」を引き起こし死亡する例も多いそうです。

また、「キツネノボタン」と呼ばれる種も、セリと比較的生息範囲が近く近場に生えていると言う事も多い毒草であり、こちらは葉や茎から出る汁に毒性がある為、誤って触れるとかぶれたり、若葉だとセリと間違う場合もある為に食べた後に口内や消化器官に炎症を起こす事があるので注意をしたい。

他にも「セリは生で食べた方が栄養価が高い」と言う話もあるも、生のセリには「肝蛭」と呼ばれる寄生虫が潜んでいる場合がある為に、生の場合はちゃんと洗ってないと大変な事になります。

 

まぁ、自分で取りに行く人たちはその辺りの事をキッチリ知ってから行かないと大変な事になりますよと言う話ですね。

筆者は多分その辺の見分けがつかないので、普通に購入して食べます。