眠気を覚ましにコーヒーを…コーヒーとカフェインのお話
4月は新たな生活が始まる季節。
(花粉症を除けば)過ごしやすい春の陽気とは裏腹に色々とあわただしく、けっこう疲れる季節が春ですよね。
今年は、収まる気配すらないコロナウイルスのせいもあって余計に気疲れもするし、あんまり遠方にも行けない…むむぅ…
せっかく暖かくなって来たんだから、落ち着いた喫茶店でのんびりしたい筆者。
実は4月13日は日本で初めて「コーヒー専門店」…喫茶店が出来た日だったりします。
筆者はコーヒーを結構飲む方ですが…コーヒーを最初に淹れた人はどうしてこれを飲もうと思ったのか?こんなにコーヒーは真っ黒なのに…と思ってしまいます。…本日はそんなコーヒーのお話です。
コーヒーを抽出した時に着色される黒色は、コーヒー豆を焙煎した時に引き起こされるメイラード反応とショ糖のキャラメル化と呼ばれる現象が関わっております。
メイラード反応はタンパク質などを加熱した際に起こる褐色化の原因であり、身近なモノではタマネギや肉類を調理すると茶色に変化するアレになります。
一方のキャラメル化もメイラード反応に近い物であり、こちらは主に物質に含まれている糖類が加熱によって変質し褐色化する現象になります。
コーヒー豆は焙煎の際に、内部の成分がこれらの化学反応を起こして色素成分を作り出す為に抽出した際にこれらの色が付く訳です。
ちなみに、その着色成分を何らかの方法で抽出の際にカットできれば透明なコーヒーも作る事は可能だそうです。
さて、コーヒーが黒い理由はこんな感じであるとして…昔の人が最初にコーヒーの豆に目を付けた理由は「眠気覚まし」の効果があったからと言われています。
コーヒーの覚醒作用については大昔から逸話が様々あり、カフェインやそれの効果が知られる前から「コーヒー = 眠気覚まし」の効果がある事は知っていたようです。
では、なぜ様々成分がある中でカフェインには目を覚ます効果があるのでしょうか?
そもそもカフェインは「アルカロイド」と呼ばれる植物に多く含まれている「苦み」や「渋み」と言った成分の一種であり、植物が自己防衛として作り出した有毒成分になります。
実際にカフェインも一部の動物や昆虫に対しては毒性を有しており、例としてクモ類に与えると中枢神経の麻痺を起こすんだとか。
カフェインが脳に作用する理由としては、カフェインの成分の形と神経伝達物質であるアデノシンの形が近い為になります。
人の脳内には様々な神経物質をキャッチするセンサーが備わっており、これに成分がキャッチされる事で色々な命令が脳に下されます。
その神経物質の一種であるアデノシンは、脳の休息に関するセンサーを働かせる成分であり、脳のセンサーとアデノシンがくっつく事で脳に「休息」「睡眠」と言ったリラックス命令が下されます。
一方のカフェインはこのアデノシンと似ている形をいている為、アデノシンのセンサーにくっつくことが出来ます。
アデノシンがくっつくとリラックス命令が下されるわけですが、カフェインがくっついた場合には物が違う為になんの命令も下されず、アデノシンの結合を邪魔するだけになります。
その為に、身体に疲労があってもカフェインを摂取している間はアデノシンが脳内で結合されない為に覚醒効果がある訳です。
カフェイン自体に覚醒作用があると思っている方も多いのですが、実際はそうではなくカフェインは脳を休ませる為のブレーキを抑制させる効果があると言った方が正しいのです。
ちなみにカフェインは飲んでから20~40分後に効果が表れ、最大で10時間。平均で8時間ほどの効果を表します。(最大ピークが飲んでから4-5時間経過時)
飲んでからすぐ効かないと言う点に注意しなければいけないと言う。
春になると陽気から眠くなる人も多く、コーヒー…カフェインを取って眠気覚ましをしようと思う人も多いと思いますが、こういった効果で成り立ってるんだなと言う事を知っておきましょう。