血管の中を走る見えない恐怖「血栓」

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唐突ですが、転んだりぶっつけたりして傷がつくと当然ながら出血しますが、時間経過とともに血が固まって傷口が塞がれます。

何で血が止まるかと言うと、血液中には血管の傷を簡易的に塞ぐための血小板血液凝固因子と言ったものが存在しており、これの働きによって出血が止まって傷が治るのです。

しかし、時に怪我をした訳でもないのに血管内に血の塊が出来て、それによって血管が塞がれてしまい、場合によっては重要な血管を封じて大変な事になってしまう場合があります。

たまにそう言った話を聞きますが、ここで一つの疑問。『なんで、怪我をしている訳でもないのに血管内に血の塊が出来るのでしょうか?』

 

この血管内に出来てしまう血の塊の事を「血栓」と言い、それによって引き起る様々な障害の事を「血栓症」と呼びます。

血栓症には様々な種類が存在していますが、特に聞き覚えのある物だと 「エコノミークラス症候群」もこの血栓症の種類の中に入ってきます。

本来ならば傷などを塞ぐために血が固まるのですが、エコノミークラス症候群を例に挙げても分かる通り、何でもない血中で血液が固まってしまう場合があるのです。

では、なんでそう言った事が起こるのでしょうか??

 

これ等血栓」が引き起る原因には主に三つの種類があります。

一つが生活習慣によって引き起るタイプ。

高脂血症、高血圧などによって血管内に負荷がかかり、内側の壁に傷がついてそれを修復する時血栓が作られてそれが血流にのって流されていく物になります。

もう一つが体調によって引き起るタイプ。

主に脱水症状を起因とし、血中の水分濃度が下がることによって血液がドロドロになり、濃縮される事で引き起るものになります。

そして最後が、血液が動かないことによって引き起るタイプになります。

手術などの傷口固定による圧迫や長時間同じ姿勢でいる事による部分的な圧迫によって血流の流れが悪くなったりすると発生する物になります。

 

もし血栓が出来てしまった場合にはどうなるのか?

小さな血栓であればある程度時間が経てば自然消滅しますが、大きい物となるとその限りではありません。

それによって、血栓が体内の大きな血管を塞いでしまうとそれによって血流が止まってしまう為に非常に危険な状態になります。

特に 心臓などの血管を塞いでしまった場合には深刻な症状が現れる事も多くなります。

血栓の怖い所は、血栓が出来たからと言って身体に何らかの症状が現れる訳でもなく重要な血管を塞いで深刻な障害が現れてから初めてその実体に気が付くという所です。

健康な人も当然ながら出来る確率は少なからず存在しており、実際に数分前まで元気だったのに突然倒れるなんて事もあります。

 

怖い病気ではある物の、主な発生源である生活習慣や血液の滞りは生活の見直しによっていくらでも改善することが出来ます。

特に未だやまぬコロナウイルスの猛威のせいで自宅待機をしていると、中々身体を動かす機会も無く座りっぱなしになり、普段以上に血栓のリスクも多くなります。

特に今からの季節では気温も高くなり、水分不足も多くなってくる頃になる為に血液のドロドロ具合も加速してきます。

1時間に1度立ち上がって軽くストレッチや手足を動かす程度でも簡易的な血栓の予防になるので、座りっぱなしが続くようであれば軽く身体を動かすようにし、小まめに水分を取って血液がドロドロにならないように注意するようにして血栓の対策をするようにして挙げましょう。

また、脂っこい物や甘い物を多くとっていると感じる人は、そういった食生活もなるべく控えるように食生活を見直すようにしましょう。