水の日

dd4d6d5abed0a8ded2549de2b166bd96_s夜、まだ寒さが続くこの季節ですが空を見上げると暗い夜空に沢山の光が見えます。

それらの光はこの地球と同じ、この広い宇宙空間に点在する星々の光です。

しかし、この広い宇宙の中でも我々のような生命体がいる星がいる確立は2000億~4000億個の星の中でも、わずか14個程度と言う研究結果があるようです。

これだけ無数の星の中で、なぜ地球は生命が生まれ進化できたのでしょうか?

それは、他の星にはない「水」の存在があったからです。

 

3月22日は「世界水の日」と呼ばれる「地球と水について考える日」になっています。

実は日本には、これと別に8月1日に「水の日」が制定されており、さらに8月1日~7日の一週間は「水の週間」になっておりますが・・・それはまた次回のお話です。

 

地球はその表面の70%を水で覆われており、その総量は約14億km3となっています。

こうして聞くと地球上には大量の水があるように思われますが・・・実際はその殆どである97.5%が「海水」であり、淡水は僅か2.5%しかありません。

さらにはその淡水の区分けとして、70%は「氷河」「氷山」であり、残りの30%の殆どが地下深くに存在する地下水となっており、我々が使える河川や湖などの地表に存在する水の量は、淡水全体の約0.4%。地球上の水の総量から見れば、僅か0.01%でしかありません。

 

我々が蛇口をひねれば簡単に手に入る「水」。実はそれ自体が非常に貴重な物なのです。

日本では当たり前のように手に入る水が手に入らない国も数多く存在します。水の供給や衛生施設が整わない為に起こる病気により、毎年220万人以上の人々が死んでいます。

第二次世界大戦で亡くなった日本兵の数が諸説はありますが約210万人と言われています。毎年、同じくらいの人数が戦争ではなく水不足の為に亡くなっている訳です。

 

人体にとっての水。これがいかに大切な物なのでしょうか?

日々の生活の中、人は食事と水分補給をして生きています。食事ならば1日2日抜いた程度ではどうと言う事はありませんが、水分に関してはそうも行きません。

人の体は食事を取らなくとも水分の補給さえあれば、理論上は2ヶ月~3ヶ月は生存できます。これは体内に蓄積されている糖分の貯蓄であるグリコーゲンや肝脂肪がエネルギーとして消費される為です。それらを使い切ると、次に体脂肪や皮下脂肪などを消費し、最終的には身体を構成する細胞をも削ってエネルギーに変換させます。

しかし、これらのようにしてエネルギーを作ることは出来ても水分を作ると言う事は出来ません。その為、水分を摂取しなければ僅か4~5日で脱水症状を起こし死に至ります。

 

人の身体は我々の知らないところでも大量の水分を体外に出しております。

例えば「呼吸」。呼吸の際にも排出される二酸化炭素と共に水分が放出されます。その量は1日でおおよそ400ml。また、皮膚からも常に水分が失われています。その量は実に600ml。知らないうちに我々の体から毎日1000mlもの水分が失われているのです。

そして一番の水分を失う原因はトイレの際でしょう。健康な人が1日に行うトイレにより約1200mlもの水分が失われています。これらを合計すると約2200mlもの水分が体外に放出されている事がわかります。

 

その為、人の体は常に水分を補給しなければなりません。我々が口にする食べ物からも僅かずつではありますが水分は補給され、1日に約700mlの水分を取り込んでおり、その他にそれらの食べ物を体内で吸収分解する際の化学反応で300mlの水分が作られます。しかし、それだけでも1000mlの補給にしかならず、残りは飲料水から取らなければなりません。

 

今から数億年も昔、それまで水の中で生きてきた生物達が陸を目指した時代がありました。そして、その時に陸に適応できた生物たちが進化し続け、今の我々があるのです。

しかし、どんなに進化しようとも、やはり水から生まれた生き物である以上、水が無ければ生きてはいけません。何気なく使っている水ですが、その大切さを改めて感じていただければと思っています。