これは誠かッ!?脳は復活する!(その1)
最近、パソコンをいじっていると良く出るのが「Windows10へアップデートしませんか?」という表示…
筆者は、やたら用心深いので去年あたりから表示が出ているのですが、いまだアップデートをしていません。決してめんどくさい訳ではないですよ。
パソコンをあまりしない人のための補足ですが…アップデートとは「コンピューターのソフトやデータの内容を新しいものに入れ替える」…つまりは「更新」の事です。
とまぁ、パソコンも日々進化するわけですが…実は人の体も定期的にアップデートされていたって皆さんご存知ですか?
人の体の細胞は全部で約37兆2千億個という途方もない数で出来ているのですが…その細胞の殆どが少しずつ新しく生まれ変わっています。
たとえば「肌」の細胞なんかは約一か月で新しいものと変わり、血液である「赤血球」は大体120日くらい。以前お話しした「骨」なんかはおおよそ3年前後、一番早い「小腸」の繊毛の細胞はなんとわずか1日で入れ替わります。
成程、人体もアップデートしているのですね。
さて、しかしながら、そんな中には変わらない物もあります。
それは心臓の細胞と脳細胞です。これらは、新陳代謝は繰り返しますが、一定まで成長を終えるとそれ以上の細胞分裂を繰り返し増えることはありません。
「人間は20歳を過ぎると、脳細胞が死に始める」というのを聞いたことは無いでしょうか?あながちこれは嘘ではないということですね。むむむ…残念でたまりません。
……っと、ところが朗報です!実は脳細胞は増やすことができるのです!
1998年、スウェーデンのエリクソンという研究者がアメリカに留学していました。
ある日、エリクソン氏の知り合いが興味深いお薬を開発しましたそうな。それは、細胞が増える際に使われる、特殊な物質に発行着色料を使用することにより、細胞が増えるとその増えた細胞が赤く光る薬でした。
もともとは無限増殖するがん細胞の位置を特定するために作られたお薬だったのですが…エリクソン氏は考えました。
「脳細胞は増えないっていうけど、どうなんだろう?末期のガン患者さんに使ってもらい、死後に脳を調べられないかな??」
エリクソン氏のその疑問を解決すべく、余命も長くない患者さんの協力のもとその実験は行われました。
するとどうでしょう。その患者さんは72歳だというのに脳内に赤く着色された細胞がたくさんあったのです。これにより、脳細胞は年を経ても細胞を増やすことがわかりました。
しかも特にその傾向が顕著に表れていたのは脳の一番奥に存在する「海馬」と呼ばれる部位でした。
この海馬、書いて字のごとく海の馬…つまり「タツノオトシゴ」に似ているためにその名前をつけられた部分で、海馬の役割は「新しい記憶を一時的保存する場所」というものです。我々が得た情報は一時的に海馬で記憶され、その後に大脳皮質…大きな脳のほうへと保存されます。脳で情報を保存する時には、必ず海馬を通してから大脳へと情報が通じるため、まさに海馬は記憶の要となる場所です。
さてさて、次はどうすれば脳を鍛えることができるのかを考察したいところなのですが…今から語ると長くなってしまうので今回は残念ながらここまで!
え!?余計な話ばっかりするからですって? ぐぬぬ……何とも言えない……
まぁ、それは置いといて…次回は「どうして年を取ると記憶力が低下するのか?」「脳細胞を増やす方法」を探っていきたいと思います。