滋養強壮!今が旬の長芋!…だけどどうして食べると痒くなるの?

f:id:pegasasu-0120:20211019170744p:plain11月…早い物でもう年末になる訳です。もう2ヶ月もすれば新年に入るのですね…何ともまぁ一年が早いこと。

さて、寒さがどの程度厳しくなるかはこれからだとして、それに備えあれば越したことはありません。と、言う訳で、本日はそろそろ旬になり…滋養強壮として名高い「山芋(長芋)」のお話でも一つと思います。

 

山芋と言うとにょーんと長い形の白っぽい色の芋を想像する方が大半ですが、他にも長くなく銀杏の葉の形をした『銀杏芋』や、ジャガイモの色をこげ茶っぽくした『大和芋』なんて種類もあります。

さて、にょきっと長い山芋。山芋と言えばそれを擦りおろして作る「とろろ」をイメージする人も多いかと思いますが、芋類は一応、生でも食べられるのですが…あんまり生で食べすぎるとお腹を壊す食材になります。
しかし、長芋には消化酵素が含まれている為に、他とは異なり生で食べてもお腹を壊さない芋類にしては珍しい特性を持っており、そのおかげで生で食べる『とろろ』と言った食べ方が出来るのです。

山芋類をすりおろした際に他の芋類と異なって粘っこくなる理由は、ムチンと呼ばれる成分による物。

ムチンは『オクラ』『なめこ』『納豆』などでもおなじみのネバネバな成分となっており、胃腸の粘膜を保護してくれたり、タンパク質の吸収を向上させたりしてくれる成分になります。

そして、その粘り気の成分が山芋を触った時に出てくる痒みの原因…と、思っている人も多いかと思いますが、実際は違う物が原因だったりします。

山芋の痒みの原因となるのは山芋の皮付近に存在している「シュウ酸カルシウム」という成分の結晶のせいになります。

このシュウ酸カルシウム、もちろん目に見えない程に小さいのでありますが…顕微鏡などで見てみると鋭い針のような形状をしているのが分かります。

これらの結晶体が、触れた肌に無数に突き刺さる為に山芋に触れた肌の部分がアレルギーのように痒くなるのです。

ちなみにパイナップルやキウイ等を多く食べた際に口の中が荒れるのも同じくシュウ酸カルシウムによる影響になります。

 

さて、こんな風に痒くなってしまった場合にはどうすればよいのか?水で洗い流すと言う方法がぱっと思いつく感じではありますが、その通り針状の結晶が突き刺さっている訳ですので水で流しても中々取れないのである…

しかし、このシュウ酸カルシウムの結晶は酸に非常に弱いと言う性質を持っており、ちょっとした酸性度を持つ物で容易に溶けて無くなってしまいます。

つまり水の代わりに酸性の何かで洗えれば、痒みの原因となっている皮膚に突き刺さったシュウ酸の結晶を溶かす事が出来るので、痒みを早く取り除く事が出来るのです。

となれば調理場にある身近な物と言えばお酢。これを薄めて痒くなった場所に使ってあげれば、痒いのが水道で洗うのよりも早くなくなります。

逆に山芋をお酢につけてから調理すると言う方法もあり、コチラも効果があると言う。

ただし、痒くなって手を掻いた後などだと肌に傷がついていたりすると、当然お酢につけることでヒリヒリする可能性も出て来るので、できれば引っ掻いてしまう前にお酢につけた方が良いでしょう。

他では、皮の付近にシュウ酸カルシウムが多いので、ちょっと厚めに皮をむいてから調理するのも一つの手になります。

 

山芋は美味しいのですが、この痒くなるのが何とも…しかしこの方法であれば、もはや痒くなっても大丈夫。

…と言う事は、山芋から外れる物の…パイナップルやキウイを食べすぎた後の口の中の荒れは「ミカン」や「レモン」を食べたら改善されるのかな、と思ってしまう筆者であった。(柑橘系には酸性物質のクエン酸が入っている)