滅茶苦茶なのに読めるぞ…!不思議な脳の機能「タイポグリセミア」

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みなさん こんちには。
きょうは けこんう とは またちがう おなはしを ひとつ
しいてきたいと おもって おまりす!

さて、中途半端な筆者の書き方ではちゃんとできていたかどうか微妙な所でありますが…皆さんには上の文章がどう読めたでしょうか?

「皆さんこんにちは。今日は健康とは違うお話を一つしていきたいと思っています!」

と読めたなら大成功。…というのも、実際の所を言うと見て分かる通り文字列は滅茶苦茶になっており、そのままでは文章として成り立っていません。

文章として成り立っていないのなら読める筈もないのだが…不思議と読めてしまう。何故なんでしょうかね?

 

この現象、『タイポグリセミア現象』と言う物で、『文章を構成する単語に置いて、その単語の文字列が滅茶苦茶であっても最初と最後の文字さえ合っていれば、人は文章を読めてしまう』という物。

日本語でこれを実行するにはちょっと条件が追加され、統一された文字での文章にしなければならない。つまり『平仮名だけ』とか『カタカナだけ』の文章ならタイポグリセミアを引き起こせるが、『平仮名+漢字』や『カタカナ+平仮名』では難しくなるのである。

 

さて、このうよな きうみょな ぶんょしう を なぜ よめて しのまうか?
それは にんげんの のうの しくみに かけんい が あります

 

英国の大学の研究によると、人間の脳は文章を読む際に文字一つ一つを読んでそこから文章を理解している訳では無く、目に入った文章を自動的に単語毎に区切りそれを拾い上げて繋げることで文章を理解していると言います。

そして、その文章から単語を引っ張り出す際に、各箇所の文字の最初と最後を取り出して中の文字の組み合わせから、自動的に知っている単語と照らし合わせて文章を構成するのだと言う。つまり、脳がかってに予測変換する事で文字を当て嵌めているのである。

その為、文字の最初と最後さえ合っていれば自動的に読めてしまうのである。

 

しかし、これにも限界があり…誰もがパッと見て予測できる文章のみに限られる為、一般的でない単語や名称の組み合わせ、そして読み方次第では複数の意味へと変わってしまう単語でも、なかなか引き起らないのである。例えばこんな感じ。

 

えんまろが がある おーとすらりあ・くいずーんどらんしゅう は うみ と やまの

だぜしいん を たしのめる かうんこち です

 

これは読めないだろう…と自負する筆者。ちなみに書かれているのは『エロマンガがあるオーストラリア・クイーンズランド州は海と山の大自然を楽しめる観光地です』である。

このように知らない単語であれば文字の最初と最後を見た所で何の単語か分からない為にタイポグリセミアの効果は受けず、ただ単に滅茶苦茶な文章になってしまい、また、単語を読み取れたとしても「エロマンガ」のように、町の名前である「エロマンガ」を知らないと、「アダルトなマンガ」をイメージしてこんがらがる事も。

 

しかしまぁ、これを見ていると人間の脳と言うのはよくできていると実感させられます。

全然意識していなくとも、目に入ってきた文字を単語へと分解しそれの意味を脳から引っ張ってきて繋ぎ合わせて文章として成り立たせ…読めない箇所があっても、頭の中で近い意味の物や知ってる単語と照らし合わせて補正して呼んでしまうと言う。

コレをほぼ一瞬でこなすのだから、改めて脳の働きの凄さを教えられてしまいます。

 

本日はそんなタイポグリセミアのお話でした。