暑い日本の夏。昔はどう乗り切ったの?江戸時代の暑さ対策

今年もやって来た暑い夏。毎年のように「過去最高の猛暑」の文字が出てくるのでありますが、このまま過去最高をずーっと更新していったらこの先、どの位の気温になってしまうんですかね??

とりあえず、しっかりと暑さと日焼け対策をして暑い夏を過ごしましょう!

 

さて、世界から見ても日本の夏は気温が高く、湿度も相まって非常に過ごし辛いと聞きます。
今でこそ冷房なんかがあって過ごしやすい訳ですが、冷房が無かった昔はどのように過ごしていたのでしょうかね??

と言う事で、今から遡る事200年以上前の大江戸の時代。

当然、ここまでさかのぼれば冷房もなければ、冷蔵庫からキンキンに冷えたビールやアイスを取り出す事すらできない。

そもそも『氷』なんてものも手に入らない時代である為に、今の時代と比べて過酷さが異なるレベルなのである。

今では考えられない様な『何もない時代』の夏を人々はどう乗り切ったのでしょうかね??

 

この時代の涼しさアイテムの基本となるのが「うちわ」もしくは「扇子」

冷房技術が優れた今ではその通り、お店や商品のプロモーション用だったり衣装のワンポイントで持ったりと涼しむため以外の使い方が多い感じになり、納涼グッズとしては下がった立場に

さて、納涼用品として見た場合にエアコン等と比較するとどうしても勝てない訳ですが、涼しさが無いのかと言ったらそう言う訳でもありません。

人の身体には、熱した体温を下げる機能として発汗による気化熱作用があるのですが、人の身体の周囲には厚さ数ミリという動かない空気の層があります。

この空気層部分のせいで、皮膚上に体温がこもり上手く気化熱が作用しないのである。

うちわや扇子による風はこういった『動かない空気』を動かし、身体の熱を取り除いてくれるのだ。

また、冷房などと異なり自然に近い風なので身体を急に冷やさないという点も見逃せない。

 

又は打ち水朝や夕方などに道に水を撒く事によって涼を得る方法で、昔よりも現代の方がより高い効果が得られるという。

こちらの原理は、夏の日差しで道路が熱される前に水を撒く事により、地面の温度が上がり熱が籠る事を防ぎ(放射熱の制御)、また気化熱によって蓄積した温度を逃がしてあげる方法になる。

日がガンガン照り付けている所に水を掛けたくなるが、正しい打ち水としてはなるべく日陰になっている場所に水をまき、加えて風通しが良い場所であれば尚良い。

こうする事により比較的長い時間、打ち水による気化熱の効果を持続させる事が出来、撒いた水によって地面に熱が籠るのを防いでくれるのである。

また、昔は暑さしのぎの他に乾いた地面より舞い上がる砂埃等を防ぐのにも用いられたという。外の道路だけではなく、ベランダ等でやっても良い。

 

夏の日差しが強い時になると設置する家も割と多いのが『すだれ』、もしくは『よしず』

葦や細く割った竹を規則正しく並べ板状に固定した物で、陽をうまく遮り風を通してくれるので、開けた窓に使用する事で風を通して直射日光と虫を通さなくする。

『日陰の下は涼しい』という単純明快な効果なのであるがこれが馬鹿に出来ない。

冷風のような直接温度を下げる効果は無くとも、日陰の下は地面からの反射熱等が無い為に温度が押さえられており、日向との差は10度以上にもなるとも。

 

江戸時代は電気が無い分、こう言った方法で涼しむ努力をしており、面白い事に今の扇風機の原型っぽい物をうちわで作っていたりもする。(手動回転式の複翼団扇)

最近は世界情勢の事もあって色々な物も値上がりしており、電気代なんかも結構上がっているようで…なので、今年の夏は上手く昔の技術(テクニック)を使いつつ賢く電気を節約していきましょう!