使わないとキツイのに…使うと眠くなる…なぜ花粉症の薬は眠くなるんだろう?

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今年は冬場でも驚くほどに暖かい時期があったためか、いつもよりも早く花粉が飛びまわっていると言う事で花粉症の人にとっては早めに嫌な季節が来る事となってしまいました。

耳はかゆいし、目もかゆい。鼻水は出るはで、喉もイライラ。これが数か月にわたって起こるかと思うと、杉の木を山ごと吹き飛ばしてやりたい気持ちになります。

もういっそ、花粉のない所へといければ問題はないのでしょうが…

しかしながら、杉は日本の北は北海道から南は屋久島までの幅広い範囲に棲息している為に、実質日本のどこにも逃げ場はないのです。

 

さて、辛い花粉症ですが悲しい事に一度なってしまえば根本的な治療は難しく、現代医学を持ってさえ対症療法にて症状を抑えていくくらいしかできません。

「舌下免疫療法」「レーザー治療」等で劇的に改善する人もいるそうですが、完治ではなくあくまで「症状軽減」できると言う事と、効果を実感できるまでに期間を必要とする為に今日やって今シーズンは今からじゃぁ遅い可能性もあります。

マスクをして鼻から花粉を入れずメガネをして目に花粉が入らないようにして、部屋の湿度を高めて花粉が舞わないようにして…と、気がつけばインフルエンザの時と同じような予防方法をして予防、症状軽減を図るしかありません。

 

さて、花粉症のお薬。使用すれば効果がある事は分かるのですが、それでも躊躇してしまう…なぜなのか?大体そう言う方々の理由は決まって「眠くなるから」「集中できなくなる」という物です。まぁ、よく聞く話ですよね。

しかし、なんで花粉症の薬を飲むと「眠たくなる」のでしょうか?

 

花粉症の薬にも様々な種類があるのですが、その中でも「抗ヒスタミン薬」と言うアレルギー受容体に制御をかけるお薬がこの「眠くなる」副作用を持っています。

このヒスタミン、生体で作られる物でもあり食べ物から直接体に取り込まれる物でもあります。よく名前を聞く通り、アレルギーを引き起こし蕁麻疹の原因物質ともなる

しかし、アレルギーを引き起こすだけがこれの役割ではなく、本来の役割は情報伝達物質であり、悪い事だけではなく「体温管理」「記憶学習の補助」「食行動の抑制」等の生理機能に関する部分をコントロールしているのです。

そして、この生理機能の一つに「覚醒状態の維持」があり、これが眠くなる作用と関係している訳です。

 

先の通り、ヒスタミンは一部の場所にてアレルギー反応を起こす原因となっております。このアレルギー反応は、人体がアレルゲンの侵入を感知した時に肥満細胞と呼ばれる物から内部に蓄積されたヒスタミンが一斉に放出される為になります。

そして、その放出されたヒスタミンを受容体と呼ばれる人体に備わった言わばセンサーがキャッチすることによって鼻水や炎症を起こす訳です。

そして花粉症の薬に見られるヒスタミン薬は、この受容体とヒスタミンの間に入り込んでセンサーが反応する事を阻止するのですが…先の通り、ヒスタミンには「覚醒状態の維持」だったり「記憶学習の補助」だったりと神経伝達物質としての役割も持っています。

ヒスタミンはこういった神経伝達物質としての役割の部分もブロックしてしまう為、眠気や学習能力の低下と言った副作用が出る訳です。

 

これが花粉症の薬によって眠さが出てくるメカニズムとなります。

そして、お分かりいただけた通り抗ヒスタミン薬は、花粉症に効果が大きい=ヒスタミンを抑える力が強いと言う事で、効果が大きい物を使えば使う程に眠さが出てくるのです。

副作用に悩まされるが…飲まなければそれはそれで酷い…ん~悩み所ですね。

 

しかい、最近はそういった副作用を抑えた薬もあるので薬を変えるor変えてもらうのも一つの手です。

まぁ、一番は花粉症を完全回復できる薬が出来ると良いのですが…それはまだ遠い未来の話ですので、今は薬と使うタイミングを相談しながら季節を乗り越えるとしましょう…