寒い時のお風呂に注意!事故の原因になる「ヒートショック」

年末も間近に控えたこの頃。寒さも本格的になり始め、温かい物が恋しくなってくる季節。

こういう時は温泉なんかに浸かってゆったりとしたいなぁと思う筆者でありますが、そんな余裕など色々な意味で無く、せいぜい家の風呂で使う入浴剤(温泉風)が関の山な所ではある。まぁ、そのぐらいでも筆者は十分いいのだが…

さてさて、こう寒いと熱いお風呂に入ってサッパリと身体を温めてあげたい所ですが、この時期には風呂場での事故が非常に多いのである。

実際、一年間の風呂場での事故の総数の大半が今時期…秋後半~冬にかけて起こっている。

何でこの時期に多いのか?原因はこの時期ならではで、急激な温度差からなる「ヒートショック現象」と言う物。

 

最近はよく注意喚起をテレビなんかでもする為に名前を知っている人も多いと思われますが、冬時期のお風呂場で多い事故原因となるのがコレである。

人の身体の血管。血管は身体が温まると拡張されて血圧が下がり、逆に身体が冷えると体温を下げぬように血管が収縮するので血圧が上がります。

冬の季節は全体的に気温が低い為、人間の血圧は上がりやすい状態になっております。

で、身体が寒ければ温めたいと思う訳ですが、風呂場や更衣室は普段から使う場所でもない為に暖房が行き届いておらず基本的に寒いです。

ここで先のお話を思い出して貰いたく、寒いと血圧は上がります

ただでさえ、季節的に上がりがちな血圧が更にぐんと上昇するのですが…ここで熱い風呂に入るとどうなるでしょうか?当然、身体が急激に温まる訳ですので今度は一気に血圧が下がります。

 

急激に血圧が低下すると起こる症状で有名なのが、例えば「失神」。脳の血流が一時的に少なくなり意識が無くなる事ですが、湯船の中で意識を失えば溺死の可能性湯船の外で意識を失えば転倒して頭を強打する事は必至である。

そして、今度はお風呂で十分に身体が温まった後に急に寒い空気に身体が触れると、逆に血圧が急上昇するのであり…次は心臓や血管に急激な負担がかかるのである。

元から血圧が高い人なんかは、身体が温まる事によって血中の水分が少なくなっている中で更に急に血圧が上がる為に血管への負担が急増。

その為に脳出血心筋梗塞などの血管リスクが非常に高くなる場合もあるのだ。

 

特に注意しなければならない人たちは、その通り元から「高血圧」等の因子を持っている人や高齢者の方となるのですが、結局は「温度」によるところが強い為に「熱い風呂が好き」「お酒を飲んだ後に風呂に入る」、「長風呂」と言う点も問題である。

寒い時期に熱いお風呂にざっぷりと入りたい人にとっては悲しいお知らせであるが…それが危険因子だったりするのだ。

 

さて、色々と危ないヒートショックであるが予防する手段は意外と簡単だったりする。

極端な話、入浴前後と入浴中での温度差が原因であるからにして「浴室・更衣室を温かくする」と言うのが最良の予防方法だったりするのである。

ちょっと小さなヒーターを用意して予め部屋を暖める、浴室をシャワーなどで温めるなどやり方は色々だが、そんな程度でもかなりリスクを下げられるのである。

お風呂での事故は結構多く、死亡事故に関しては交通事故による死亡数よりも風呂場での死亡数の方が多いと言う結果もあります。

起こった際には非常に危険なヒートショックですが、その通りほんのちょっとした予防策で回避できる訳ですので、気を付けた入浴を心がけるようにしましょう。