古くから愛される知恵の果実「リンゴ」

56d72e3d6a4393ac158839b35ad9ae9e_s秋のこの時期に旬を迎えるリンゴ。 日本のみならず世界中で愛されている果物で、古くは神話にまでさかのぼります。

ギリシャ神話のヘラクレスの冒険の中には、金のリンゴを探す旅が描かれ、神話の狩人アタランテも勝負の最中にリンゴに気を取られて敗北したと言いい、一つのリンゴから神様と人々を混ぜた二派閥の戦争…トロイア戦争のお話もあります。

中でも一番古いのは、旧約聖書の物だと思います。原初の人「アダム」と「イヴ」は、エデンの園の管理を任された、神によって作られた最初の人ですが、知恵の木の果実を食べることで知識を得て神の怒りを買い、楽園を追放されてしまいます。この時に食べた知恵の果実こそ、リンゴだったと言われています。

しかし、当時の果物の中には今と名称が違うものもあったりしたり、そもそも誤訳だったのでは?との話もあるので我々の指すリンゴとも限らないというのが最近の話で…さらにリアルな話では、基本的には寒冷地でしか育たないリンゴがエデンの園があったとされるペルシャ湾岸では育つはずが無いんだとか。(ペルシャは砂漠が隣接する乾燥地るため)むむぅ…夢が無い。

 

さてさて、そんな魔性の木の実であるリンゴ。

現実の話では紀元前のトルコから栽培が始まり、この西洋リンゴが日本に本格的に入ってきたのは明治になってからで、明治4年にアメリカより種のリンゴの苗を持ち帰り、本格的に栽培を開始して軌道に乗ったは明治20年頃と言われている為、初期の頃は様々な悪戦苦闘があったものと思われます。まぁ、今みたいに育て方マニュアルなんておそらくなかったでしょうからね

 

昔から「リンゴが赤くなると医者が青くなる」と言う言葉がある程に、リンゴは非常に栄養価が高い果物として知られていました。

日本のみならず海外でも「An apple a day keeps the doctor away.(一日一個のリンゴで医者いらず)」と言う諺があります。

はてさて、人の比喩と言うのは常に大げさに描かれる物…実際にはどの程度の栄養があるか見てみるとしますか。

リンゴの中にはリンゴ酸やクエン酸の他に、様々なミネラル類や食物繊維・ポリフェノールが含まれています。

特にこのリンゴ酸は、その名前の通りリンゴから発見された成分でクエン酸シュウ酸のような有機酸の働きを補助してくれる役割を持ちます。特にリンゴにはクエン酸も豊富に含まれている為、クエン酸による疲労物質の除去をリンゴ酸が後押ししてスムーズに行えるのは嬉しいですね。

 

加えてリンゴに含まれるカリウムカリウムについては前回のミネラルのお話でもわずかに触れましたが、カリウムは体内でナトリウムのバランスを取り、血圧をコントロールしたり、体内の余分な水分を体外に出す作用があるので、むくみの予防改善に効果があります。

さらにリンゴの皮の部分に含まれているポリフェノール…通称「リンゴポリフェノール」は非常に高い抗酸化作用を持っており、活性酸素から体を守ってくれる他に脂肪の吸収を抑制する作用と脂肪を分解する酵素を活性化する作用を併せ持つために、ダイエットにも良いとされました。めた、血中のコレステロール値を下げるのもポリフェノールの力です。

 

ただし注意点として、食物繊維の一種であるペクチンが豊富に含まれている為にリンゴをいっぱい食べるとおなかが緩くなったり、下痢を引き起こす可能性が高くなりますので、注意が必要です。

まぁ、どんなものでも食べすぎはよくないという話です。ちなみに一日の摂取目安としては「リンゴ150g」と言う事なので、Mサイズの半分ってところらしいですね。

 

ちなみに熟したリンゴはエチレンガスを多く放出する為、エチレンガスを必要とする実験によく使われるんだとか。

密閉した箱に、リンゴと一緒にじゃがいもを入れると芽が出てこなくなり、逆にバナナやキウイと一緒に入れると一気に熟成します。冷蔵庫に入れる場合は要注意です。