こちらにもあちらにも…この時期に忍び寄るカビ
筆者は「やってみよう」的なノリで様々な事に手を出します。そして、そのうちの一つにアクアリウム作成があるのですが、なんやかんやで大変です。
本やインターネットで見ると綺麗な物やダイナミックな物が多く、小さくともやり方次第では色々と出来るのでここ数年間、のんびりと続けていましたが…やはり奥が深い物です。
水草を植えて、熱帯魚を育てて、増やして…何度か失敗して全滅させたりもしましたが、中々に楽しいです。
掃除などのしんどい所もありますが、やっておかないと苔が生えたり、病気の元にもなるので、そこは定期的にちゃんとやるようにしております。
特に油断ならないのが…黒髭様こと黒ヒゲカビ。ちょっとお手入れが行き届かなかったりすると生えて来る黒い髭のような、髪の毛のような…とりあえず毛のみたいなカビ?です。ちょっと見かけたなと思うと一気に大繁殖して、水槽が見るも無残な姿に…水槽をリセットする原因にもなるので厄介です。
さて、そんなカビと言うのは知らぬ間にどんどん育ち、気が付いたらさあ大変な事にと言う事も多々あると思います。特に季節柄、今はカビが多く発生し繁殖しやすい環境ですので、気が付いたら窓の脇だったり、部屋の隅だったり、物の影だったり、冷蔵庫の奥底だったりにゾワワとあるかも知れません…いや、恐ろしいですね。
そして、カビの恐ろしさは何もその繫殖力の強さや生存力の高さだけではありません。カビの恐ろしさとして、地味に毒性を持っていると言うところがあります。
カビが出す毒の総称を「マイコトキシン」と呼び、カビ自体が死滅しても毒素は残り続ける上に熱による毒の分解ができず、厄介な物が多いです。
なので、カビが生えても火を通せば大丈夫だと思っている方は注意が必要です。ちなみに油で炒めても大部分の毒素は残りますので、火力が高ければよいと言う問題でもないみたいです。
毒を作るカビのとして、豆類やナッツ類などに生える「アスペルギルス・フラバス」や「アスペルギルス・パラジチカス」があります。これらの作り出す毒は「アフラトキシン」と呼ばれており、この毒素は肝臓に対する強い毒性も持つ他、天然物の中で最も強力な発がん性物質を持っております。1974年にはインドで猛威を振るい肝炎で106名が死亡する事件を起こしております。
他にも穀物やコーヒー豆、ブドウ加工品に付着するカビ「アスペルギルス・オクラセウス 」や「ペニシリウム・ビリディカータム」。
これらのカビもまた、厄介な毒性を持ち、これの出す毒素である「オクラトキシン」には腎毒性、催奇形性、生殖毒性、神経毒などの様々な毒性を持ち、特に腎臓に毒が蓄積しやすく、腎機能にダメージを与えます。
ペニシリンで有名な「青カビ類(ペニシリウム属)」や一部の「コウジカビ(アスペルギルス属)」にも毒素を出す物がいます。これの出す毒素「パツリン」は他のカビ毒に比べると弱い物ではありますが、消化管の充血や出血、潰瘍があります。
また、付着し増殖するのがリンゴと言う事もあり、リンゴジュースやリンゴ加工品の中に入りやすく比較的子供が口にする率が高いカビ毒とも言えます。
まだまだ毒素を出すカビの種類は多く、その毒素も種類によってはこのように強力な物を持つ物も数多くあります。
これらのカビ毒が直接影響を与える場合は「カビを触れた手で飲食をする」か「直接カビの生えた物を食べる」事をしなければ大体は大丈夫です。
しかし、寒い時の感覚で冷蔵庫などに入れずに放置しておくと簡単にカビが生えてしまいます。