日本最古の発酵食品にして、和食の要。世界最硬度の食材、カツオブシ。

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世の中には様々な食材がある訳で、日本の諺の中に「豆腐の角に頭をぶつけて死ね」というものがありますが…豆腐では無理でも、硬さ自慢の食べ物は多数あり実際に殺せそうな硬さを誇る食べ物は多数あります。

例えばチーズでスイス産の「スプリンツ」、イタリアの「パルミジャーノ」なんかはナイフでは歯が立たないレベルの硬さを誇り…軍隊食の「乾パン」にも上位互換の「堅パン」と呼ばれる、下手をすれば歯が欠ける硬さの乾パンがあります。ちなみに米兵からは「アイアンプレート(鉄板)」と呼ばれてたそうです。

 

さて、そんな硬さ自慢の食品が並ぶ中で世界一硬い食品とは何だろう?と言いますと、意外や意外、皆さんご存知の「カツオブシ」だそうです。

今月11月の24日は11/24(良い(いい)/節(ふし))の日でカツオブシの日になっております。

さて、カツオブシと言えば古来より日本では料理の調味料として親しまれており、世界レベルでも日本の食材として有名ですが、実際どの程度硬い物なのでしょうか?

 

硬さを図る上で、鉱石などの硬さを測る基準の「モース硬度」と言うのがあります。10のランクで分けられる簡易硬度基準で、単純に数字が大きくなると硬くなるというものです。

例としてダイアモンドは最高の10で、ガラスは大体5、爪の硬さ2になるそうです。

さて、肝心のカツオブシをこれで測ると…なんとモース硬度「7~8」と、同表の鉱石で言うと水晶やトパーズなんかと同じくらいの硬さを持ち、とある番組では最強のミキサーに入れて回したらミキサーが煙を上げ、釘を打ったら釘が負けるというとんでもない硬さです。

そもそも、カツオブシの切断面が遠目から見ると黒曜石みたいになってるという…

 

しかし、そんな超硬のカツオブシを日頃から使う…なんてことは料理屋に就職しない限りはあり得なく、普段我々が目にしているのはいわゆる「削り節」と呼ばれるすでに削られた状態のカツオブシです。

主食や主菜としては使われませんが、料理の際には味付けや香り出し、隠し味に等々、様々な面で使われており、特に和食では欠かせない食材の一つです。

そもそも、カツオの身を乾燥させて作る為、小さくはなっている物のカツオの持つ栄養素やうまみ成分をぎゅっと圧縮している為、わずかな量でも豊富な栄養素を含み、また加工の際に余分な脂肪を捨てる為に全体の77%がタンパク質という高たんぱくであり、非常に低脂肪となっています。

また、残された脂肪にも魚の持つ成分として有名なEPAやDHAを含んでいる為、非常に有能です。

骨や歯を作る為の材料となるマグネシウムやリン、体内の水分や塩分の調節をするカリウムが多く含まれ、筋肉や神経系統に影響を及ぼすナトリウムも多く存在しています。

比較的ミネラル類を多く含みますが、水溶性のビタミンの一種であるナイアシンやビタミンE等も含まれております。

 

ちなみに、鰹節を使う際に重要になる「うまみ成分」こと「イノシン酸」。料理で上手に「うまみ成分」の力を引き出したい時は、軟水を使うとよいでしょう。というのも、硬水に含まれるミネラル分には「うまみ成分」の元となる「イノシン酸」や「グルタミン酸」が溶け出にくく、さらに水内に含まれるカルシウムやマグネシウムはこれらの「うまみ成分」と結合して灰汁を作り出す為、せっかくのうまみ成分を捨てる事になってしまいます。

イノシン酸グルタミン酸を多く抽出する和食全般は、軟水の方がより素材そのものの味を引き出せるようですね。

ちなみに水道水は基本的に軟水となりますが、地域によってバラバラで中にはぎりぎり軟水の場所もありますので、よほどこだわって作る際は市販の軟水を使用するのが良いでしょう。