世界に誇る、日本の食品っ!寒天ッ!

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ご存知の通り、日本はその周囲を海に囲まれた島国であり、昔より海への近さを生かした漁業などの水産業が盛んな国です。

魚や貝、甲殻類や海藻類等…様々な物が取られ、そのまま食される時もあれば特殊な加工をして食用、保存用とすることも多々あります。

さて、そんな中でも特に不思議な食べ物として「寒天」があります。

法事料理などには出てくる事も多々あり、それ以外でもお菓子などに現代でも広く活用されております。

 

寒天の原材料となっているのは「テングサ」「オゴノリ」と言った紅藻と呼ばれる海の岩間に生える海藻の一種から作られています。

ここで気がついた方もいるかと思いますが「トコロテン」と全く一緒の物で出来ております。

実際、寒天の製法はトコロテンと全く同じでトコロテンとして乾燥したものを2晩ほどかけて凍結さえて、その後に解凍し数日かけて乾燥させてあのような形になると言います。

 

どこの誰がそんな手間暇をかけてまでこの製法を発見したのかと思いきや、実は全くの偶然の産物によってできた物であったらしく、江戸時代のとある旅館の主人が外に放置されて凍り付き、その後干物と化してしまったトコロテンを発見し、勿体ないとして試しに水に戻して食してみた所、これが意外にも海藻臭さも無く旨いとなって使われるようになったのだとか。

その後、製法が確立されると一気に寒天の製造は広まっていき、近代にもなると細菌学者が細菌を培養するためのベースとして寒天が国際的にも使われるようになり、数少ない日本の輸出品として重宝されました。

 

寒天は、それ自体は海藻を煮て作られている為に非常にカロリーが少ない食品であり100gにしても僅か3kcalと言う驚異の少なさです(水に戻したとき)。

この性質は海藻の特色そのままであり、動物性の食品が持つたんぱく質や脂質などは一切含まれておりません。

代わりに、栄養素としてヨウ素クロムなどの値が高くなっており食物繊維も多く含んでおり、他にも少量ではありますが鉄分やマンガン、カルシウムなどのミネラル分を含んでおります。

特にカロリーが少なく、食物繊維の効果によって腸内環境を整えられ、同じく食物繊維の効果によってコレステロールの値を下げる事もできる為にダイエットなどに使用するには非常に良いものかもしれません。が、注意点として寒天の持つ食物繊維の特徴として水分を吸収することによって急激に膨らむために、便秘改善をする為に食べていたつもりが便秘が悪化したとの報告もたまにあり、この場合は摂取する水分量が足りなかったために腸内で食物繊維が膨らむことによって便通が阻害される為に起こります。

摂取水分が少ない場合にも起こりうる事ではありますが、逆に一気に多くの量の寒天を摂取した場合にも同じような状況が起こるとされます。

なので、なるべく多くの水分と一緒に摂取することを心がけた方がよろしいでしょう。

 

さて、同じような食べ物としてゼラチンがありますが、ゼラチンの原料となるのは主に動物性のコラーゲンでありタンパク質の一種となります。

また、融解する温度にも大きな違いがあり、ゼラチンはおおよそ25度前後から溶け始めるのに対して寒天はおおよそ80度前後と非常に高温でなければ溶けないと言う点があります。

この常温では溶けないと言う点と、寒天の持つ食物繊維を分解できる細菌類が少ないと言う点から、先の通り細菌培養の為のベースに現在使われております。

 

と言う訳で2月16日は寒天の日と言う事で、普段あまり気にすることのない寒天について触れてみました。筆者も食べる機会はとんとなくなってしまいましたが…たまに寒天を知る機会として、食べてみるのもいいかもしれませんね。