お酒を飲むと顔が「赤くなる人」と「ならない人」の違いって何だろう?

f:id:pegasasu-0120:20200624142858j:plain大昔の中国を記した全90巻から成り立つ歴史書である 「漢書」。

その内の一つである「食貨志」と言う巻物には、皆さんご存知であり、ある種の人達にとっては一種の「切り札」的な有名な言葉が乗っております。

何かと言うと…【酒は百薬の長】になります。酒飲みなら一度は使った事が有るかと。

【酒は百薬の長】は書いて字のごとく「適度の飲めば、薬なんかより健康にいい!(意訳)」と言う意味。お酒を飲めば飲むほど健康になるという意味ではないのでご注意。

日本でもこの言葉、「徒然草」の一文にて引用されておりますが【百薬の長とはいへど、万の病は酒よりこそ起れ(お酒は身体に良いっていうけど、お酒からくる病気もけっこうあるよね…(意訳))】と、その内容は割と批判気味。

だから、どんな物も適度が大事ですよ。適度が。さて、そんなお酒の話ですが…
お酒を飲むと顔が赤くなる人と赤くならない人がいます。アレはどういった違いによって引き起るのでしょうか??


お酒を飲むと、当然ながら酔っ払う原因であるアルコールが体内に入ります。コレが分解されて体外に出るまでの流れを大雑把に説明しますと…

1)摂取したアルコールが肝臓で【アセトアルデヒド】と呼ばれる物質へと変化する。

2) アセトアルデヒドはさらに肝臓で酢酸へと分解される。

3)酢酸が更に水分と二酸化炭素へと分解されてようやく体外へと放出されるのである。

と言った感じである。

アルコールはお酒として飲んでいる訳であるが、言い方を変えれば一種の「向精神薬」でもあります。その為に小腸から吸収されて、血中に流れ込み脳に作用すると酔っぱらって気持ちよくなるのであるが、脳にアルコールが回り続けると、中枢神経の麻痺を引き起こし大惨事になってしまうのである。

 

なもので、人体では摂取したアルコールを急いで違う物質…アセトアルデヒド」へと分解し、 過剰に脳へとアルコールが回る事を阻止します。

さて分解生成されたアセトアルデヒドではあるが…この物質、実はとっても毒性が強い物質であり、身近では車の排気ガスや合板の接着剤などにも使われる物質である。

ですので、このアセトアルデヒドを血中に残しておくと「二日酔い」の原因になってしまうのである。ちなみに発ガン性も認められているという。

なので、人体はとりあえず分解したアセトアルデヒドを更に分解し、毒性を消してから体外に出さなければならないのである。

この排出がうまく機能して無かったり、そもそもの量が多すぎて間に合わなかったりすると脳に作用して、その通り二日酔いとなる。

 

このアセトアルデヒドは二日酔いの原因になる他にも、血管を拡張させて心拍数を向上させる働きがあり、それによって体温が上昇し顔などに赤みが出てくるという。

つまり、顔が赤くなりやすい人はアセトアルデヒドを分解する能力が必然と低い人になる訳である。

なので、次の日に二日酔いになりやすいので程々に飲むようにしましょう。

 

ちなみに顔が赤くならない人は、その通り血中のアセトアルデヒドの分解代謝が早い人なので顔が赤くならず二日酔いになりにくい訳ですが…飲酒直後の血中アルコール濃度の上昇の仕方は、二日酔いになりやすい人と大差ない為に「いくら飲んでも大丈夫な人」では無い事に注意が必要です。

やっぱり「お酒は適度に飲む事」が大事なようですネ。