人類は何故、それを食べようと思ったのか…芋虫の様なアレ編

9363785f131f216f3b89e039382c26de_sこの世には「よくこれを食べようと思ったな」と思う様なものがいっぱいあり、先人たちのその行動に敬意を称したくなるような物も多数あります。 今でこそ普通に食べていますが、よくよく考えてみれば「よく食べたな」「なんで食べようと思った」となりますよ…ホント。 さて、本日はそんなものの中から実は今が旬の、この海産物を見てみましょう。 手も足もなく、触るとぶよぶよしていて、触手がある種類もいて、口から白い粘ついた変な物を吐き出す生き物なーんだ?見た目はエクレアの様な感じの物もいます。

 

…さて、皆さんは分かりましたかな? 正解は「なまこ」です。よくあれを食べたと思いますよ。 ちなみにエクレア似の種類はコレになります。沖縄本島付近で発見されたらしいですね。

 

ここでナマコのうんちくを一つ…ナマコは棘皮動物の1つでウニやヒトデとかと一緒の動物です。体はご存知の通り細長い芋虫の様な形をしており、触ると柔らかいですが一応骨は体表付近に散らばって存在しているらしいです。寿命は意外と長く5 ~10年。日本にも200種類ほど分布していますが、実際に食べられるのは30種類程だとか…意外と少ない。 ちなみに一番大きい種類のナマコはオオイカリナマコと呼ばれる種で、最大で4.5mまでデカくなり、日本の一部にもいるみたいですね。いろんな意味で見てみたい。

 

さてさて、海の近くに住んでいる人でなければ、そんなに食べる機会は少ないと思うナマコ。若い人だとナマコ自体が分からない方も少なくないと言いますが、グロテスクな見た目に反して様々な栄養を持っているらしいです。 日本のナマコは食材として扱われるのが殆どですが、中国に行くと食材の他に漢方薬としても使われております。中国語でナマコは「海参」と呼ばれ、この「参」は有名な漢方の素材「朝鮮人参」の事を指し、朝鮮人参のように滋養強壮に効果があると言う所から来ているようです。

 

実際にナマコの栄養の中には高麗人参や田七人参にも含まれています、サポニンが多く含まれており、抗酸化作用や抗菌作用に優れており体を疲れにくくしてくれます。また、サポニンは水でも油にでも溶ける性質があり、溶けると汚れなどを浮かせる作用があるので体内に入ると血栓の原因となる過酸化脂質を出来ないようにしつつ、血管中のコレステロールを取り除いてくれます。 また、関節や骨に大きく関わる栄養である「コンドロイチン」や「コラーゲン」。これらを多く含んでいるのもナマコの特徴と言えます。主にどちらも軟骨成分に含まれている事が多のですが、ナマコの場合は食べた時に感じるあのコリコリとした食感の正体…コラーゲン繊維にこれらが含まれております。 コラーゲンは関節にある軟骨を作る上で非常に大切で、軟骨の半分はコラーゲンで出来ております。この軟骨が年齢と共に減少してくると、関節部分で骨と骨が直接こすれるようになり、関節痛と言う物が起こります。症状がひどくなると痛みで動けなくなってしまうほどです。また、コンドロイチンも同じく関節部分にある軟骨に非常に必要な成分です。

 

また、基礎の栄養素となる「ビタミン類」や「ミネラル類」に関してはバランスよくそれぞれを含んでおり、補腎強壮効果、動脈硬化予防、性機能回復などと様々な用途性を出されています。それでいて、良質なたんぱく質を持っていながらも、体の大部分は水分で出来ている為に低カロリーであると言います。

 

見た目こそ悪いんですけれどね~栄養価については高いんですね… ちなみに生きたナマコのさばき方は、①両端の硬い部分を切り落とす。②一直線に切り込みを入れて内臓を出す③塩でもんでやる④塩を洗い落として薄く切ってやる⑤終わりだそうです。内臓部分は日本三大珍味である「このわた」として食べる事が出来ます。