梅雨の季節はカビの季節。カビが生えるのは食べ物だけじゃない!

ジメッとした時期が増えてくる今日この頃。気分も心も天気と一緒にシュン…と落ち込みやすい時期で、筆者は湿度・気圧・天気もあって嫌いな季節である。
後は食べ物が痛みやすい環境でもある為、ちょっと忘れていた物がすぐにダメになって食べられなくなってしまう悲しい食中毒の季節でもあります。

 

さて、そんな食中毒の原因の一つがカビ等であると言う事は皆さんご存知だと思われます。

こういったカビなどが食べ物なんかに付着し、それを栄養源として成長・拡大し大きくなってあちこちに毒素や胞子を振りまくのである。

カビは、僅かな埃やゴミなどの有機物と水分があれば、それを栄養源として繁殖できるため、栄養がある食品はカビにとって嬉しい環境になる訳です。

そしてここで疑問が一つ。

あんまり考えたくない話ではありますが、栄養となる有機物+水分があれば大抵の環境で繁殖できるのであれば、生き物の身体には生えてきたりとかはしないんですかね?

 

人…のみならず、生き物の皮膚上には垢や皮脂などの有機汚れがあり、生きている以上水分だってあります。で、あれば環境としては良い場所であり…繁殖するのでは?とも思い怖い感じに…

実際の所は人体に備わっている免疫力や、皮膚上に存在している無数の皮膚常在菌。さらには皮膚自体が弱酸性である為に外部からの菌やウイルスの侵入を難しくしている事もあって、繁殖には適さないんだとか。

ナルホド、では大丈夫…と思う訳ですが、ところがどっこい『免疫機能やバリア機能がある為に適さない』という事なので、逆にそういった機能が落ちた時やそれらを差し引いても十分すぎる程の繁殖環境であれば、皮膚にカビが生えてくる場合があります。

前者では主に病気やけがなどの治療によって免疫が落ちた際に起こりやすく、後者はちょうど今のような梅雨時期などに多くなります。

…実は先のお話の通り『皮膚の上には常在菌』という細菌がいるのですが、その中にもカビの一種が含まれており、例を挙げればマラセチアカンジダカビ等が人の皮膚には常にいます。

これ等のカビが、先ほどのような原因で繁殖すると『身体にカビが出てくる』という状態になるのです。

カビが生える、というと何となく食品に生えているようなカビが皮膚上に生えるようなイメージを持つ訳ですが、実際の所、皮膚で発生する場合は発疹、赤みやシミのような形で急に現れ、かゆみを伴う事が多く、よくある皮膚の湿疹や肌荒れとあまり見分けがつかないという特徴をもっています。

 

人体でカビが生えやすい場所というのが、フケや皮脂が溜まりやすい頭部だったり、普段目に入らない耳の裏。自分ではどうしようもできない背中などで、特に皮脂が集まりやすい場所に発生しています。

一度感染してしまうと、同じようなカビで引き起る病気『水虫』からも分かる通り、治り辛く、しかも素人目には普通の湿疹との違いがイマイチ分からないので初期発見で分からない+放置しがちという点が非常に厄介。

『急に白い斑点やシミみたいなのが出来た』『赤くなって痒みが治まらない』時は思い切って早めに診察を受けるようにしましょう…

 

この先、段々と暑くなってきて汗もかきやすく、そして夏バテのように食欲が下がり、高い気温によって体力も免疫力も下がりやすい季節になるので、『カビ』が原因の皮膚炎のみならず、肌にまつわる疾患が多くなってきます。

身体の清潔を保つことも大事ですが、体調管理や生活習慣を見直してしっかりと栄養や睡眠を取り、疲れず元気な身体づくりをしていきましょう。