肌の上にも世界がある。人肌の上の怪獣、ニキビダニ

地球上には様々な場所があり、こんな所に生物なんていないだろうなんて思うような場所でも生き物が住んでいたりします。

完全に生物の存在がない場所があるとすれば、今の所、地球外であるか人の手が加わって厳密に管理されている場所のどっちかしかないのである。

…さて、何が言いたいのか?と言うと…地球上の生物生息範囲に例外が無いように、人の皮膚の上にも小さな生態系が存在しているのです。

黄色ブドウ球菌アクネ菌等の常在菌や表皮ブドウ菌などの皮膚常在の細菌類や、肌に住む微生物の中では恐らく最も大きい種類となる「ニキビダニ」など…約1兆もの数の生物が皮膚上に住んでいます。今日はそんな肌の上の怪獣のお話。

 

人のお肌に居候している微生物の中で最大生物である「肌ダニ」こと「ニキビダニ」。大きさは僅か約220-300μmと言う小ささ。髪の毛の太さが約80μmと言う事で、髪の毛の太さよりは大きい物の肉眼ではやはり見えない。

人の皮膚上を生活圏にしており、新生児を除くすべての人間の皮膚上に存在していると言う。そして、その新生児も親に抱っこされたりされて皮膚接触する事で感染するのである。

勇気のある人は見てみても良いだろうが…細長い身体に4対計8本の足、そしていかにも『虫』といった感じの頭…と、これらが人体の皮膚上に無数に存在している訳です。

ニキビダニがいる場所は人の毛穴の中。この中に5-6匹単位で潜んでおり、諸説ありますが人間の体毛の数は平均して140万本と言うので、これらをまとめると一人の身体に約700~840万匹存在していると言う事に…うわぁ

 

その名前のとおり、ニキビの内部を調べるとかなりの数を確認できると言う事なのですが、健康な普通の肌上にも存在しているために、『一カ所にいっぱい集まっていたからニキビが出来た』のか『ニキビがあるから集まってきている』のかその辺はよく分からないんだそうです。

しかし、あまりに増えすぎた場合には皮膚に湿疹ができることは確認されている。この状態は、特に免疫不全のように免疫力が極端に低下している場合や、生活の乱れなどにより皮脂などが多くなると引き起りやすくなると言います。

 

見た目は気味悪く、こんなのが大量に肌の上にいると…と、思うとちょっとゾワゾワとしますが、このニキビダニは確かに増えすぎると厄介な事になりますが、基本的には皮膚上の余剰な角質や汚れなどをモシャモシャ食べてくれるので悪さはしません。むしろそういった物を除去してくれるわけですので、ある意味皮膚上の清潔を保ってくれている生き物になる訳です。

 

とは言え先の通り増えすぎてしまうとお肌に様々な影響を出すので、過剰に増えぬように対策をしなければならないのですが…まぁ、正直言って生活習慣をちゃんとして肌を清潔にしていれば問題はないかと。

夜もちゃんと寝て、食事もちゃんと取り、油っこい物やお酒類は少なくして、めんどくさくとも顔はちゃんと洗うようにして…とすれば、極端に増えることは少ないと思われます。

また、ペット(犬・猫)にもニキビダニは存在しており、時にそれが増えすぎることで毛が抜けたり、ニキビのような物が出来たりするのですが、ニキビダニ自体は人間の物と何ら変わらない為にペットから人に感染して同じような症状になったりはしません。

 

体調が悪かったり、連日の夜更かしにて急にニキビが出来たと思う場合は、体力やら免役能力やらが下がって肌上の健康が悪くなり、ニキビダニの活躍によってポッコリできてしまう事が大体です。そんな感じで、肌にぽちっとできた場合には皮膚の上に住む小さな共存者の事を思い出してあげてください。