ふとした疑問。なんでペラペラな紙で指は切れるのだろう??

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唐突に物騒なおはなし…「切られたら痛い」。これは誰もが知っている事です。

日常でも、包丁、カッター、ハサミなどの 刃物で切ってしまう事もある訳ですが、より凄惨な物となれば仕事場の機械や装置によって切ってしまったりと言う場合も…おぉ、怖い怖い。

見ててもイヤだし、自分の身に起きるのも当然ながら嫌な物ですよね。


しかし、時にそういった刃物を使っていない時にも手を切ってしまう場合もあり、なんとも回避の使用が難しいと言う。

ある時に急に牙をむくその物の正体は…「紙」

誰もが一度、特に小さい頃に経験したことがあると思われる「紙による切り傷」

いつもはあんなにペラペラで、どちらかと言うと「切られる側」の存在なのに、時々逆襲を行ってくると言う。

しかも、心なしか…と言うか実際に、怪我をする範囲は凄く小さいのに酷く痛むのが特徴である。ホント嫌ですよね。

さてさて、なんでペラペラな紙で切れる上に、しかもあんなに痛いのですかね?

 

「刃」が物を切る原理には圧力とか摩擦とか分子結合とか色々と出てくるのですが…簡単に説明すれば、狭い(又は小さい)面積の物体(この場合は刃)を対象に押し当てて引く事により、接触面に摩擦を集中させて熱を急激に発生させ、その熱で物体の分子結合を細かく千切ってしまう事により物体は切断されます。(諸説あります)

な物で、「摩擦力がある」「断面が薄い」条件を満たせば、刃として機能するのです。

 

さて、話は戻り…先ほどの紙。紙でよく指を切るのは側面の部分ですが、確かに此方は「断面が薄い」と言う点ではナルホドと言う訳ですが、「摩擦力」という点に関しては何とも…と思われます。…が、実は紙の断面を顕微鏡で見てみると、これがまた滑らかそうに見えて物凄くギザギザになっているのです。

元々、繊維の集合である為と紙は裁断されて出回る為に、切断面がどうしても細かくギザギザになってしまう訳でして、このギザギザな部分が肌と接触した際に摩擦を生み出し、更にはノコギリの刃のように引き裂く力も生み出してしまうためにシュッと指が切れるのです。

 

以上が紙で指が切れる仕組みだとして、ではなぜ紙で切った部分はあんなに痛むのでしょうか?これも実は紙ならではの嫌な偶然が重なるために、あの痛みが出るのです。

指先は当然ながら様々な物に触れる役目を持っているのですが、それ故に何かあった際にすぐに感知できるようにする為と、細かな作業をする為に物凄く神経が集注しています。

なので、ちょっとした傷でもすぐにわかるのですが、同じくいったん傷がつくと痛みが気になり続けるようになります。

他にも紙での切断面は先の通り、ギザギザの鋸で裂いたような傷になっている為に金属の刃物のように傷が滑らかではなく痛み易い事に加えて、傷が絶妙に浅い為に出血がほとんどしないと言う特性を持っています。

出血してないから痛そうでないように思える訳ですが、血管の上にある神経まではしっかりと切れている為に普通に痛い上、本来ならば出血する事で傷口が血液で満たされる為に空気による乾燥もなく傷がすぐにふさがるのに、出血が少ない為にそれも出来ず…さらには「紙は繊維の集合」と言ったように、切断後の傷に細かな繊維を残していく為に更に傷が痛むのです。

しかも、手先は常に動かしている物なのでただでさえ治りが悪いのに…

治りが悪いだけで治らない訳では無いので、傷口を常に綺麗にしてじっくり治すしかないのが大変な所です。皆さんも紙での指切りには気を付けましょう!

 

ちなみに…条件を整えて固定式の回転鋸の刃をA4コピー用紙にすると、真っすぐ切るのはかなり難しいのですが同等のA4コピー用紙、厚紙、薄いベニヤ位であれば一応切断可能なんだとか。